1970年から、新商品開発・マーケティングの人材育成のセミナー・コンサルティングと新商品開発戦略、新商品開発システム革新の仕事を続けています。

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考えるヒント:学び合いの場

「ヤミツキの力」 まつもとメモ

1.深い脳の記憶;乳児食、家の伝統食(何回も繰り返す)脳の古層に働きかけているのでは、ふわふわの触感、噛み心地、香りのプルースト効果
2.際と揺らぎ;痛みと快(痛快) 善と悪、解放と抑制、安楽と恐怖、懐かしさと新しさ
3.不完全;バランスが崩れている 過剰品質、過少品質
4.脳が記憶しやすい;雑味 脳は楽をしたがる→楽をさせない
5.アイラー・ウイスキーはなぜヤミツキになるのか疑問 脳に楽をさせないからか
6.ぺヤングと日清焼そばの違い ウスターソースと醤油の違いは?
7.ヤミツキは、複合感覚ではないか
8.達成感;ゲームの世界の典型では。不安を持っている人は達成感がヤミツキになる
占い師に、ヤミツキ、溺れるタレント
ヤミツキとは淫靡では、が私の結論。

【参加者の意見】
Aさん;松本先生が仰っていた「痛快」は、そのど真ん中と感じました。その他、「不充足の充足」、「離乳食」、「僅かな不快」、「珍しさと懐かしさの絶妙なバランス」、「淫靡(隠微)さ」、「キワ」などのキーワードは、まさに目から鱗でした。

Bさん;「マイクロプロダクツ」というキーワード、ヤミツキと依存症の違い、ヤミツキになる脳のメカニズム、(記憶しにくいものほど記憶しようとする。続けたいという快がある。)ヤミツキは隠微なキワの世界に発生し易い。

Cさん;「食品の”やみつき”は味覚だけでは不十分だ」※アルコール,カフェイン,ニコチンを使わない前提で。という事が私なりの”気付き”でした。 今まで、味にばかり関心が向いていましたが、これからは味覚「+α」に目を向けていきたいと思います。

Dさん;@離乳食から、文化的な味覚が形成されるのでは?という点で、現在北海道の得意先向けに、飲料を提案しているのですが、独特な味わい作りが必要で、決定した商品は、売れていています。そういった意味で、北海道では「ヤミツキ」の味に近づけたのかなと思いました。(嗜好=記憶も、この結果の現象なのかなと感じました)
A雑味は、記憶しにくく、より脳を働かす。
 ⇒印象に残る可能性がある。
 ⇒ヤミツキになる??
雑味という部分は、今商品作りの部分で重要視している点で、旨味に近い役割をしてくれるため、呈味剤のような原料を弊社にて作れればと検討しています。
B色々な方々の意見を聞くことができ、見方の相違や切り口を教えて頂き、新たな発見があり、少し視野が広がったかなと感じました。

Eさん;ヤミツキ=”五感刺激による達成感”のように感じていました。人にとって、五感を働かせる、震えさせるのは”快”=ヤミツキなのでは、と思いました。毛穴すっきりパック:ごっそり取れる、視覚的な達成感。辛ラーメン:汗かきながら食べる達成感 みたいな。

Fさん;印象に残った一番のキーワードはメモに残っていたものではなく、記憶に沁みついていたものでした。「嗜好=珍しさ+なつかしさ」、というキーワードです。小室哲也も、似たようなことを言っていたので印象に残りましたが、加えて、「ヤミツキ」の研究の廣中先生が仰るんですから、意味の深いことばとして沈着しました。