「触覚の魅力開発」 まつもとメモ
日本オリエンテーション客員主席研究員 高橋さんからのプレゼンで始まり、なかなか面白い、学び合いの場になりました。
まつもとの感じたことをメモしてみました。
・五感の中では、触覚は視覚、聴覚、嗅覚に比べて、未開発の感覚。化粧品、アパレル、食品では重要な魅力感覚で、先行している。ヒントがこれらの業界から得られるのでは。
・触覚は、物理的感覚が中心である(化学的感覚に対して)。パリパリ、シャキシャキなどの物理感覚。オノマトペ(擬音、擬態語になりやすい)
・触覚は、視覚の影響を強く受ける。すべすべ視覚と、すべすべ触覚が複合化して、すべすべだと判断する。
・触覚は、部分から全体へ。現在は、指の先、舌の先がメインであるが、今後足の裏(健在)体全体(風呂の温熱水圧)などいろいろへ拡がっていく。
・筋感覚と触覚は大変重要なテーマでは。車の運転操作などのリアクションの快の開発、重さの開発(ずっしり)、軽さの開発(心地よさ)も面白いテーマでは。三菱鉛筆の「ジェットストリーム」は成功事例になるのでは。軽い摩擦感も快では。
・熱感覚も重要な触覚テーマでは。冷たい、温かい、熱い。冷やーっと食品、はかほか食品、あつあつ食品などが考えられないか。わたしは、ぬるぬる燗が大好きです。
・客員研究員の高橋さんから示唆があった、化粧品におけるキャンパス(顔)とブラシ(手)の関係がおもしろかった。ストッキング、下着、シャツなどもキャンパスではなく、ブラシで判断している。
・触覚を考える時に、乾燥状況なのか、湿気の状況などで左右されるのでは。私は乾いた感覚もよいが、ちょっと湿った感覚が好きですね。
・官能空間は拡がりながら快の空間を模索している。
・触覚は、これからの魅力的感覚機能。そのためには、触覚のボキャブラリー開発が重要になる。状況と触覚と快・不快のメモ作りが必要。蓄積をしていくことが大切。
【参加者からもいろいろコメントが寄せられています】
・官能評価に中指と薬指を使うということをあの場で初めて知りました。
『学び合いの場』の翌日試してみて、継続の必要性を感じました。触感において『自然な感じ』とは?という疑問もうかんできました。
・一番気になったのは、「触覚による記憶の積み重ねと呼び覚まし」です。食品であっても、容器の触感、直接手でさわった触感、さらには口の中でも、食感とは違う触感があるんじゃないか、などなど、世界が広がっていく気がします。
・特に纏め方の部分で 総合計−コンセプト系−要素系でくくっていくあたりは、とても実用的で参考になりそうです!
・生産現場での工程検査や、「どんな気持ち良さ」というように、分析的な状態を知るときは中指が有効と思います。各業界、各企業には、「特有のものづくり文化」がありますので、それを大切にすることが重要と考えます。
・「触覚を表現できる的確な言葉がなかなか無い」
今回の「触覚」は前回の「ヤミツキ」とも通ずる部分が多く、脳の働きや、快、不快の感覚が大きな役割を果たしているということにも気付かせて頂きました。