配信日:2009年01月20日
第228号
2009年1月20日(火)曇り(東京)
年末、正月の新聞を読み、気になるキーワードがいくつかありました。
*「英雄のいない時代は不幸だが、英雄を必要とする時代はもっと不幸だ」
歴史の名言 天声人語 朝日新聞2009.1.1
*出版社・本の広告 「不便は便利」新潮社、「活字の力」文芸春秋社、「確かな言葉の力の為に」三省堂、岩波新書創刊70年 岩波書店、「本が読みたい」講談社、「百年後だって、人間はきっと変わらない」新潮文庫、「本の力」光文社、「人は、本と向き合いながら自分と向き合っている」集英社
*勝ち残るには、環境技術、新興国への投資、小さくても儲かる車づくり。欧州では地球温暖化防止から、電気自動車しか走れなくなる時代がくるかもしれない。
日産自動車最高執行責任者 志賀俊之氏 朝日新聞2009.1.1
* 世界この先 世界はサイバビリティ(生き残る力)を問われる時代になった。
「生存学」を考える必要がある。松本紘氏 京大総長 日経新聞2009.1.1
* MADE IN TOKYOのパソコン 日本ヒューレットパッカードの昭島事業所。
コストの安さで選んだ東京生産だが、品質にうるさい日本人に受け入れられているという「世界バリュー」を生んだ。朝日新聞2009.1.4
* 感情模索 近頃、気分や気持ちや心の向う方向がちょっと変わってきている。
大嫌いなのについ引かれてしまう。不安だから安定を探るのではなくて、もっとつらい不安定を願うとか。朝日新聞2009.1.1
* 金融資本に過度に依存しない経済システムが見つけられることを願っている。
世界経済は戻らない。回復という言葉を使う時に、病気が治って元の状態に戻ることを想像するが、しかし世界経済は元いた場所に戻らない。英ロンドン・スクール・エコノミックス教授 リチャード・セネット氏 日経新聞2009.1.4
* 失敗越えて飽和市場で勝つ 「百円マック」による顧客誘引と大型バーガーなどの高付加価値商品の「ついで買い」。ファミリー・マートは「ファーストフード兼業」フライドチキンは1億3千万本。2億本の日本ケンタッキーンに次ぐ。
質に配慮しながら安値を訴求。「賢く暮らそう」とする中間層以上を取り込む。
ウォールマートのキャッチフレーズも「オールウェイズ・ロー・プライス(いつも低価格)」から「セイブマネー・リブベター(節約してよい生活)」へ。日経新聞2009.1.4
その他、未開地「月」探査熱再び、よみがえるケインズなどなど。
毎年、年末、正月の新聞を熟熟読しています。面白いヒントの宝庫です。
■『同じ空気を吸い「共犯者」に』
★気づき
かつて、4年に1度のW杯が新しい戦術や新星のショーケースだった時代がある。
それが今は、テレビやネットなどのメディアを経由して、情報は一瞬にして世界を駆け巡る。
新しい選手も戦術も、あっという間に伝播して丸裸にされる。それで「日本にいても新しい練習方法はすぐにわかる」というコーチもいる。
オシム監督は、欧州やブラジルのクラブで実地に学んでほしいことは、そんなメソッドのたぐいの話ではないという。
「練習方法は練習場の金網越しでも見ていればわかること。
何が大事なのか。それはスタッフロールや選手のロッカールームに入りこみ、試合ではベンチに座って彼らと同じ空気を吸い、『共犯者』になることだ。
それは書物を読んだり、映像を見ているだけでは分からないこと。なぜ、このタイミングでこの練習をするのか。勝ったとき、負けたときで選手にどんな声をロッカールームで掛けるのか。選手に何を言うべきで、何を言わないでおくべきなのか。様々なプレッシャーやストレスとどう闘い、消化しているのか。
私が代表の練習があるたびに大勢のコーチを集めるのも、私から何かを感じてほしいからだ。」
元サッカー日本代表監督 オシム氏 日経新聞2007.2.23
★コメント
事実を知ることではなく、肌で感じることが必要。時代・市場・生活価値観の変化を感じ取る構えを持っていたい。深く感じ取りたいですね。
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■『探究人』
★気づき
「ミスターNO(一酸化窒素)」と呼ばれる。血管を拡張させる物質がNOだということを発見、98年にノーベル医学生理学賞を受けた。
良い食生活や運動を続けると健康になる―。「むかしから言われるその根拠が、NOです。特に高血圧など心臓疾患への効果が高い。」
NOは弱い分子なので、体内では1、2秒で活性が失われる。「だから、体内でNOの生産を高めるアルギニンやシトルリンといったアミノ酸、NOの破壊を防ぐビタミンCを含む食物が必要です。」
運動は血流を速めてNOの生産を促し、動脈を広げる。毎日運動すればNOを維持できる。
UCLA教授 ルイス・イグナロ氏 朝日新聞2008.6.23
★コメント
NOのサイエンスを、実際の生活に活用できる技術に変えることが必要。サイエンスを技術へ。
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■『呼吸するように歌う』
★気づき
「うたの呼吸を壊すこと。これが今の私のテーマなんです。生活しているときの呼吸は決して一定じゃないのに歌の呼吸は規則正しい。驚けばハッと息をのむし、うれしい時、悲しいとき、いろんな呼吸がある。声、呼吸でもっと生々しく歌えるんじゃないか、そろそろきれいに収めるだけじゃなく、正直なものをポーンと出せるんじゃないかな。」
歌手 石川さゆり氏 日経新聞2007.4.8
★コメント
日常の中に新しい発見がある。それに気づく、大きな飛躍を生む。
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■『不純な混合』
★気づき
「本来の」ものにアイデアを加えて新しいものを創作する手法。
今春夏シーズンでは、ジュンヤ・ワタナベのメンズコレクションなどがその手法で脚光を浴びる。テイラードスーツの素材が、なんとアディダスのジャージ。
「正しい」服を別の用途の服とミックスして新しい作品を生むこんな手法は、「コンタミネーション(contamination)」とも呼ばれたりする。汚染、堕落というニュアンスも漂う「不純な混合」という意味の英語である。
ジャージとスーツ。どっちかの中途半端な「もどき」に終わっていたらこうはいかない。どちらの長所もきちっと立てて全く新しい服を見せたことこそ、高評価のポイントであろう。
服飾史家 中野香織氏 日経新聞2007.2.23
★コメント
アイディアは異質なものの組み合わせです。不純を取り込む、変な人になろう。
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■『40億人の未開拓市場−貧困層の購買力に注目』
★気づき
推定40億人という人口規模を持つ「究極の未開拓市場」がある。アフリカ、インドなど途上国に暮らす貧困層だ。
バングラデシュ3位の携帯サービス企業バングラリンクは、「携帯電話は贅沢品ではなく、暮らしを豊かにするための重要な武器だ」とアピール。ターゲットは貧困ラインぎりぎりの農業・漁業従事者。月額固定料金が不要な前払いのシステムを導入。
インドのニューデリー近郊に拠点を持つドリシュティーは、フランチャイズ方式の「インターネット・キオスク」を運営する。例えば、オンラインで行政手続きを行えば高い運賃を払う役所までの移動がなくなる。
P&Gは一回分の袋入りシャンプーを売り出し、ネスレ(スイス)はインスタントコーヒーで世界の消費者の好みに合わせて50種類以上を販売。途上国の需要をきめ細かく掘り起こす。
日経新聞2007.7.23
★コメント
本当の、より良い生活商品の開発。より良い生活時間・より良い生活空間・より良い生活道具が「究極の未開拓市場」開発に必要。
日本オリエンテーション主宰 松本勝英
【マイカレンダー】2009年1月5日(月)〜1月19日(月)
年末はおせち作り。正月はお酒を飲んで、おせちを食べて、新聞3紙を熟熟読み。
5日(月)事務所で、超楽天的で楽しく仕事をしようと。翌日の社内教育打ち合わせ。昨年のコンサルティングまとめの資料づくり。夜は、行きつけの「千川」で快食。
6日(火)社内教育。魅力商品づくりと変化への気づき。今年初めてのセミナーでちょっと緊張。新鮮でした。終了後、快食。
7日(水)社内仕事。夜、企業の人と恵比寿の立ち飲み屋探検。3軒はしご。
8日(木)コンサルティング。売り方開発。夜、今年第1回の「マーケティングだべる会」。超楽天主義の見方とサバイバビリティ。面白かったです。
9日(金)コンサルティング。商品開発システムの革新。成功率を高める。開発スピードを加速する。これからの開発スキルの開発。
夜、日本オリエンテーションの仕事に興味を持っている人の面接。
10日(土)から13日(火)までソウルへ。客員研究員、企業の人4人とソウル屋台巡りとB級グルメ巡り。マイナス12度の中を歩け歩けでした。
2月の7日(土)から11日(水)まで、流氷を見に、知床、網走、紋別に行く予定です。
15日(木)コンサルティング。トップに対する明確な軸づくりと商品ライン戦略。
午後、実践社内教育。変化を引き抜き新規テーマを開発する。
16日(金)17日(土)富士吉田へ。ショートセミナー。企業トップと快食。異質でユニークなトップでした。よしだうどんを2杯。なかなかなうどんでした。快晴で富士山が輝いていました。
19日(月)コンサルティング。コンセプトに基づくネーミング、パッケージング開発。
土日朝一番の映画が見られずちょっと欲求不満です。
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■□■「MATSUMOTO・MINERAL」
■■■ 第228号(2009/1/20) (c) 1999Japan Orientation
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