配信日:2009年07月21日
7月21日(火)
今年の夏は暑い、そして熱い夏になりそうです。
政治の状況は大転換を迎え、新しい希望の土俵ができる可能性があり、経営の世界でもキリン・サントリーの統合が進み、本格的グローバル企業の土俵ができるかもしれない。
熱い夏にしたいですね。
■『内なるグローバル化』
★気づき
国内では、人口減少や消費の成熟化の中、異なる地域がつながって新たな市場を創り出す、「連結の経済性」が一つの活路である。
農業では、新潟米や秋田米などが、健康志向の高まる台湾で高級ブランドとして浸透し始めている。日本では流通しないような小さい選外の青森産りんごが英国で売れている。観光では雪やスキーで北海道と豪州・台湾、温泉で九州と韓国の間で人の交流が拡大している。
このトレンドをさらに広げていくためには、欧米やアジアと同じ目線に立って意識レベルをオープンにしていく覚悟が必要だ。
日本政策投資銀行調査部長 鍋山 徹氏 日経新聞2007.12.4
★コメント
国内と海外を一体に考えることが真の「グローバル」化です。喜んで双方向のグローバル化をどう進めるか。気になるところです。
・・・‥‥...............‥・・‥.....................‥‥・・
■『日本人はいつ大人になれるのか』
★気づき
人が成熟するためには複雑な自然とかかわることが欠かせない。効率ばかり追求するやり方では自然を見えないところに追いやってしまう。
本来人間は自然の一部であり、そこからゆっくり育つことの大切さを教えてもらえると思う。
JT生命誌研究館館長 中村桂子氏 日経新聞2008.3.19
★コメント
効率、促成では成熟しない。ゆっくり。ゆっくり育てたいし、育って行きたい。
・・・‥‥...............‥・・‥.....................‥‥・・
■『仮想社会の病の表れ』
★気づき
「定住生活では怨み、つらみは避けられない。しがらみを断ち切るには移動するのが一番だ。悲しみや苦しみを胸にしまってひたすら聖地を目指す。この世の欲得にかかわりを持たず、モノにも頓着しない」
世界中の人々を巡礼に駆り立てているものは、科学技術が作り出した仮想社会の病。
立命館大学映像学部 大森康宏 名誉教授 日経新聞2007.12.27
★コメント
巣篭もり、家篭もりもだいじですが、こもっていると日常の『ケ』が『ケガレ』てしまいます。動き、遊ぶことがいいですね。祭りもいいですね。
・・・‥‥...............‥・・‥.....................‥‥・・
■『都市再生と創造性』
★気づき
都市再生とは疲弊を「癒し」、「自生的な力をはぐくむ」ものでなくてはならない。
ライプチヒでは都心再生に広場などを作る「空間に穿孔」の考え方が生かされている。疲弊した都市空間に穿孔する手法は、スペインのバルセロナで実績がある。朽ちた建物を壊して広場を作り、市が少額の補助金を出してカフェへ誘い込む。人が集い始めると治安が改善し、周囲のアパートの化粧直しが始まり、空き部屋が埋まる。街区の再生が隣の街区に波及し、再生の連鎖が起きる。
都市再生のバルセロナ・モデルは「部分から全体へ」、あるいは「ミクロの都市計画」と呼ばれる。計画の創造性が評価され、英国王立建築家協会の金賞を受賞した。
日経新聞2007.8.6
★コメント
人が集い集まる『アゴラ(市場・広場)』づくりがポイントでは。
・・・‥‥...............‥・・‥.....................‥‥・・
■『宗教から離れ格差解決を』
★気づき
人間の脳はほかの動物と違い「過剰」な部分を持つ。この過剰が様々な「価値」というものを生み出してきた。資本主義はそこから発達した。
欧米を中心に広がった資本主義は「増殖」を是とする。つまり、お金を増やすことを罪悪とはみなさない。この考え方はキリスト教とは本質において抵触しない。
一神教は本来、増殖を肯定しないが、キリスト教は一神教でありながら、父と子と聖霊の三者を「三位一体」として信仰の対象にする。曖昧を許容する余地があり、とりわけ「聖霊」が増殖性を秘めている。そこに、資本主義の発達を促す源泉があった。
アッラーを唯一絶対的な存在と考えるイスラム教は価値の「増殖」に警戒心を持ち続けてきた。「増殖」に不信感を持つイスラム教の厳格な教義の下で運営されている銀行は、現在でも利子を取ることを禁止している。ただし、イスラム教でも、お金を扱うこと自体を不浄としているわけではない。銀行も「投資による利潤」は許容している。金が金を生むといったバブル的な部分を否定しているのだ。
一方、キリスト教では、12〜13世紀ごろ「煉獄」という概念が定着し、これが「増殖」を肯定する流れを強めた。金貸し商人も死後煉獄の山を登ることで、天国に行くことができるという概念だ。経済を発展させようと思えば、こうしたご都合主義的な考え方が必要になってくる。
「増殖」を積極的に是とするか、否とするか。この姿勢の違いが、キリスト教世界とイスラム教世界の経済格差をもたらした。
多摩美大 芸術人類学研究所所長 中沢新一氏 日経新聞2006.12.6
★コメント
原理資本主義は宗教原理主義を基にしている。破たんし反省し、また破たんし、少しづつ賢くなっていくのかも。仏教をベースに、もう一度今の社会の在り方を考える時かも。
日本オリエンテーション主宰 松本勝英
【マイカレンダー】2009年7月7日(火)〜7月17日(金)
7月9日(木)10日(金)第102回「商品開発プログラムのたて方36時間」セミナーがスタート。利益を生み出す商品開発、顧客創造・需要創造型ニーズ開発。12時間のセミナー。
16日(木)コンサルティング。コンセプト素の評価テストの分析と詳細コンセプト化。
いろいろな企業の人たちとお会いしたり、9月以降の仕事の仕込み。
忙しいような、忙しくないような2週間でした。
土日朝一、一人で映画を見る
18,19,20日の連休を利用して映画に。
「レスラー」
ミッキー・ローク主演。中年の過去の名レスラーの孤独と生き様、そして勇気。
ミッキー・ロークのカムバックと重なって見ごたえあり。ストリッパーのマリサ・トメイもハートのある演技でよかった。見たくなかった映画ですが見てよかったです。お勧め。
「湖のほとりで」
久しぶりのイタリア映画らしい、イタリア映画でした。ミステリーですが、映像が美しく、見とれてしまいました。主人公の刑事を演じる、トニー・セルヴィッロがカッコよかったです。この映画も絶対お勧めです。ただ、混んでいるので注意。
「ディア・ドクター」
「ゆれる」(新鮮な映像でした)の西川美和監督。無医村の資格のない医者(偽医者ではありません、ただ資格のない医者です)を笑福亭鶴瓶が主演。味があるとはこういう演技だというのを見せてくれました。脇役陣もしっかり個性を出して見応えありです。本当は嘘で、嘘が本当なのかも。この映画は日本の映画の先行指標かもしれません。お勧めです。
■■■.......................................................................................‥‥・・
■□■「MATSUMOTO・MINERAL」
■■■ 第240号(2009/7/21) (c) 1999Japan Orientation
・‥‥.......................................................................................‥‥・・