1970年から、新商品開発・マーケティングの人材育成のセミナー・コンサルティングと新商品開発戦略、新商品開発システム革新の仕事を続けています。

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考えるヒント:メルマガ「マツモト・商品開発ミネラル」

【マツモト・商品開発ミネラル】第258号

配信日:2010年4月20日

『地域通貨』『「舌」の情報』『柔軟性を生かした開発』『コンパクトシティー』『聖地の定義』

4月20日(火)
初心に帰る、それでは何をするかいろいろ考えています。映画の世界における影の力になりたいとも考えています。映画は子供の頃から好きで、学生時代はアートシアター、ヌーベルバーグの映画を楽しんでいました。文化学園の映画の授業を受けてスタートが切れればおもしろいのでは。
ツイッターを始めました。katsu1970 ときどき遊びに来てください。

■『地域通貨』
★気づき
 地域需要が基本であり、地域通貨はそれを具体化する手段。日本最古の紙幣「山田羽書(はがき)」は江戸時代に伊勢神宮の神職に就いた豪商の自治組織が発行した紙幣。地域が求めているのは「新しい内発的発展」。デフレ不況の根本原因が「不確実性」にある。
現在の不確実性は、
1.金融革命以降の実体経済と金融経済の大幅な乖離 2.米同時多発テロ、SARASに見られる地政学的な不確実性 3.循環型経済社会の下で生産者は生産のみならず流通・利用・リサイクルまで   の全過程を予測して生産・投資を決定しなければならない。 不確実性の時代でのデフレ脱出の基本は「需要創出」。それは追加的な財政支出、金融緩和で出来るものではない。安心革命は地方から。出所不明

★コメント
 実体地域経済の再生がデフレを克服し、不安をなくすという意見に大賛成。地産地消運動、地域通貨、大阪都構想もこの文脈で考えるとなかなかなことでは。
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■『「舌」の情報』
★気づき
 舌には特定の味だけを強く感じる部分はない。味蕾という小さな感覚器のある場所で、甘い・塩辛い・酸っぱい・苦い、の4つの基本味を一様に感じている。味蕾は舌の奥に多く、舌先よりも味に敏感。味覚の周りを、触覚を感じる神経細胞が取り囲んでいる。視覚や聴覚ではない。味覚は触覚から発達してきた感覚なのかもしれない。
朝日新聞2004.5.5

★コメント
 これからの美味しさ開発のためにも舌の研究が必要。味覚は触覚から発展した感覚だの考えも面白い。味覚は触覚を感じている。味覚表現として触覚表現を取り込むともっと豊かになるのでは。
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■『柔軟性を生かした開発』
★気づき
・柔軟でモジュール化されたデザインをせよ。
・短い間隔で商品を市場に投入せよ。
・各サイクルごとに、なにが売れるのかを学び、改良を加えよ。
・性能強化の迅速な導入を可能にせよ。
・学習と速やかな改良のために販売実績を利用せよ。

★コメント
 激変化の時代には柔軟性が必要です。スピードと柔軟性は一対の概念です。
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■『コンパクトシティー』
★気づき
 都市の空間的広がりが小さい方がよい。自動車などを利用しなくてはいけないほど都市の広がりを持つよりは、歩いて行ける範囲に主要な施設が集中している方が、環境負荷の面でも高齢化対応の面でも優れている。そうはいっても何千万人がひしめき合う首都圏などではコンパクトシティーを実現することは不可能。そこで、高度な鉄道ネットワークで結びながら、駅を中心にコンパクトな集積を展開していく。
伊藤元重氏 東大大学院教授 日経MJ2004.7.13

★コメント
 高齢化の中でヒューマンな商品、空間がより強く求められているのでは。
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■『聖地の定義』
★気づき
聖地の定義
1.聖地はわずか1センチたりとも場所を移動しない
聖地とは「場所」に関係するか「人物(神)」に関係するかのどちらかである。
2.聖地は極めてシンプルな石組みをメルクマールとする
地球の大気とか海の水はみな石の中から出てきた(松井孝典氏)。墓に石を使用する。
3.聖地は「この世に存在しない場所」である
「この世に存在しない場所」とは「この世のさまざまな法則が受け入れられない」われわれの感覚や記憶がどんどん変えられてしまう場所。
4.聖地は光の記憶をたどる場所である
場所には2つある。よい場所はシチオ、悪い場所は敵と呼ばれる。よい場所に座るだけで優れた力が湧き、敵は人を弱らせる。16世紀ヨーロッパでは五感のヒエラルキーの作り直しがあった。それまで優勢であった聴覚の体験に、視覚による体験がとってかわった(ロラン・バルト)。見るということは現実を見るだけではなく、夢の中で見るもあり、幻影を見るもある。
5.聖地は「もうひとつのネットワーク」を形成する
かつては時間・空間にはかなり極端な濃淡があったのではないか。
6.聖地には世界軸が貫通しており、一種のメモリーバンクとして機能する
7.聖地は母体回帰願望と結びつく
聖地が高度800〜1200メートル位のところにあるのは、この高度で感じる気圧がちょうど母胎内で感じる気圧とほぼ同じ。
8.聖地は夢見の場所である
重力と反重力とがバランスした点。聖というと普通は禁欲的で純粋なものというイメージを抱くが実は非常に官能的なものである。中身の濃い、汁気たっぷりの果物のようなものとして聖性を考えていかなければならない(栗田勇)。
9.聖地では感覚の再編性が行われる
聖地では共鳴現象、うなり、振動、パルスなどがコミュニケーションの基本単位になっている。
「聖地の想像力」植島啓司(集英社)

★コメント
 「場」には俗、遊、聖の空間があります。日常としての俗、日常が穢れにならないように、祭りとしての遊。いま求められているのは「聖」の空間では。茶室、サンクチュアリーな空間が求められている。どこかに小さな私の「聖」を発見したいと思っています。

日本オリエンテーション主宰 まつもとかつひで

【マイカレンダー】2010年4月6日(火)〜4月19日(月)
コンサルティング、「商品開発プログラムのたて方36時間」セミナー、「これからの美味しさだべる会」がある普通の2週間でした。ちょっと変わったことは、韓国のコンサルティング会社のCEOに会って日韓ビジネスの話し合いをした事と、ツイッターを開始したことです。

土日朝一番で映画を見る
「月に囚われた男」デヴィッド・ボウイの息子、ダンカン・ジョーンズ監督 主演サム・ロックウェル
月に3年滞在し、地球に必要なエネルギー資源採掘に行った男のサスペンス悲劇です。資源、宇宙、クローンなどの先端科学が、幸せではない映画にしています。サスペンス性が高く面白い映画で、お薦めです。

「息もできない」ヤン・イクチュン監督主演
見終わって大感動。ツーンと来ました。家族、愛、暴力と魂の映画です。ニュー・ヌーベルバーグの映画では? 暴力から愛に変わる時の顔の表情の変化。漢江の岸辺での涙。感動シーンもいっぱいです。大お勧め。

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■□■「MATSUMOTO・MINERAL」
■■■ 第258号(2010/4/20) (c) 1999Japan Orientation
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