1970年から、新商品開発・マーケティングの人材育成のセミナー・コンサルティングと新商品開発戦略、新商品開発システム革新の仕事を続けています。

日本オリエンテーションは、マーケティングをR&Dする事務所です。
考えるヒント:メルマガ「マツモト・新商品開発ミネラル」

【マツモト・新商品開発ミネラル】第274号

配信日:2010年12月8日

12月8日(火)
風邪をこじらせてしまい、1日遅れのミネラルです。 2011年、ヒューマン・ルネッサンスを起こしたいと考えています。ヒューマンな社会、ヒューマンなマーケティング、ヒューマンな新商品開発、ヒューマンな教育。 ヒューマンを深く掘り下げていきたいと考えています。

■『インターネットは構造的に』
★気づき
 インターネットは構造的に情報を並列化する。 その結果、1つひとつの情報がもつ歴史的な流れや思想的な奥行きは感じられなくなる。社会学者 東京大学助教授 北田暁大
 iPodは記憶装置にデータベースのように詰め込まれた曲の中から、聞き手がランダムに曲を聴く。曲が背景に持っていたはずの体系は、切り離されている。アマゾン・ジャパンの、利用者の履歴に基づいてコンピューターが選ぶ「おすすめ商品」を提案してくる仕組みは、商品が持っていたはずの背景がわからないまま、突然ひとつの作品が「自分好み」として、目の前にあらわれる。

★コメント
 情報は単一であるのではなく、構造的なもの。その構造が理解できないと短絡的な理解になってしまう。時間軸も重要な構造の一部。
・・・‥‥...............‥・・‥.....................‥‥・・

■『伝統文化とは』
★気づき
 伝統文化とは、実は合理的なものです。この風土の中での人々の経験の積み重ねの上に成り立っている。新しいものこそ合理的とされてきたが、それは科学の力を中途半端に使ってきたのではないか。
小島美子 音楽史研究家 朝日新聞2004.12.11

★コメント
 伝統はヒューマンでなければ。時間をかけて心地よい関係を創っていくことでは。
・・・‥‥...............‥・・‥.....................‥‥・・

■『感動要素』
★気づき
 うっとり感(審美度)、安らぎ感(心理的癒し度)、びっくり感(驚き度)、熱中感(のめりこみ度)、仲間感(つながり度)などなど。

★コメント
 感動体験を豊かに、その体験を言葉にしてみよう。
・・・‥‥...............‥・・‥.....................‥‥・・

■『平和賞 社会企業家に光』
★気づき
 今年のノーベル平和賞に選ばれたバングラデシュ出身の経済学者ムハマド・ユヌスさんは、欧米で「ソーシャル・アントレプレナー(社会企業家)」の草分け的存在として知られている。政府や非営利団体が従来担いがちだった福祉や教育、環境といった公共性の高い問題に、収益事業として取り組み、解決していこうと試みる人々だ。ユヌスさんが創設した「グラミン(農村)銀行」の事業は型破りだった。貸出先は農村の貧しい人々だけ。それも家計を切り盛りする女性が大半だ。土地など担保はとらない。融資の焦げ付きを防ぐため、地域の住民に返済の連帯責任を負わせる。借り手だけでなく、地域全体の暮らしの底上げを目指す。
朝日新聞2006.11.12

★コメント
 皆さんもよくご存知だと思います。貧しさをなくする、病気をなくす、教育などの社会的な課題を企業がどう解決できるかが、企業の存在理由になってくる。今までとは違う発想がだいじになってくる。ベースは人間を信じることでは。
・・・‥‥...............‥・・‥.....................‥‥・・

■『エモーショナル・デザイン』
★気づき
 「スウォッチは時計メーカーではありません。情動の会社なのです」
「擬人化」による感情状態の解釈。特にインターラクションするものに対してはインターラクションを楽しくするか、怒りや激怒になるか。製品を人間化するときにこのような感情が生まれる。内省レベルがどのように原因を求めるかに依存している。単純なものは予測の通りになりやすく問題が生じにくいが、複雑なものは不具合に怒ったりすることになる。理解するすべがないものはこれらの問題を生じやすい。よい経験の積み重なりが愛着を生む。信頼に応えるモノのパーソナリティーの開発。重要なのは概念モデルである。今何をしているのか、どこの段階まで到達したのか、順調に進んでいるかどうかを絶えず伝えてくれること。それがわかればよい関係が維持できる。いまのコミュニケーションは情報交換ではなく情動的なつながり。空間を多重に分割することが、人間の能力がうまく機能するためには重要。「情動をもつ機械」情動機械 機械の情動的な表出によって、機械(ロボット)の動機や願望、目標の達成具合やフラストレーションなどが分かり、ロボットに対する満足と理解が深められる。機械の基本的な安全と生存についてはすでに多く取り入れられている。
「エモーショナル・デザイン」ドナルド・A・ノーマン(新曜社)

★コメント
 人とモノとの関係を情動でつなげる。情動研究、情動開発がヒトとモノとの愛着関係を創っていくのでは。

日本オリエンテーション主宰 まつもとかつひで

■■■.......................................................................................‥‥・・
■□■「MATSUMOTO・MINERAL」
■■■ 第274号(2010/12/8) (c) 1999Japan Orientation
・‥‥.......................................................................................‥‥・・

前のミネラル 次のミネラル