1970年から、新商品開発・マーケティングの人材育成のセミナー・コンサルティングと新商品開発戦略、新商品開発システム革新の仕事を続けています。

日本オリエンテーションは、マーケティングをR&Dする事務所です。
考えるヒント:メルマガ「マツモト・新商品開発ミネラル」

【マツモト・新商品開発ミネラル】第372号

配信日:2015年2月17日

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・■■■        商品開発・マーケティングの
・■□■   MATSUMOTO・新商品開発MINERAL
・■■■     発行者:日本オリエンテーション 松本勝英
        毎月第1・第3火曜日発行(創刊 1999/10/01)
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    ■□ 第372号 Table of Contents □■
      ◇マツモト・商品開発ミネラル
      『社員30人で20社創業 異分野で刺激、発想育む』
      『横断という概念』
      『こぼしにくい器』
      『インダストリー4.0』
      『食のリスクとメディア 「実在の危険」見極める難しさ』

<伝言>
第131回「新・商品開発プログラムのたて方36時間」セミナー
2015年4月15日スタート
商品開発プロになるための実践練習場です。“利益を生み出す新商品”を開発する、考え方、知恵・ノウハウを学ぶ。好奇心に火をつけるセミナーです。
商品開発カウンセリング
商品開発社内教育

2015年2月17日(火)
朝の早起き
昨日の東京は、3月の陽気で大変暖かい日でした。このごろになると早起きも楽になり、夏に向かって早起きが続けやすくなります。私は30年以上、朝の5時に起き、今では自然に5時前に目が覚め、起きた途端に冷たい牛乳とお酢を飲み、排便をして、本を読んだり、考え事をしたりしています。朝の7時までの2時間は集中でき、日中の2時間と比べて2倍の効果がある感じがします。私は24時間ではなく26時間ライフを楽しんでいます。
今日のミネラルも朝、書いています。朝の早起き気持ちがよいですよ。

■『社員30人で20社創業 異分野で刺激、発想育む』
★気づき
 米シリコンバレーの医療技術ベンチャー、インキューブ・ラボが「ロボット錠剤」を開発した。飲み込むと酸性度から最適な臓器にたどり着いたと判断。二酸化炭素(CO2)で膨らませた風船が針を押し出し、薬剤を投与する。無害な物質だけでつくられ、電気的な仕掛けはない。
SF小説のような話だが2015年にも人で試験し、1錠あたりコスト数円の投薬技術として実用化を狙う。糖尿病など注射頼みだった患者の負担が減るとされ、米グーグルも資金を出す。
社員30人あまりの小所帯のインキューブ。慢性病の治療端末など20を超すベンチャーを生み、半数以上を売却したり上場させたりした。
なぜイノベーションが続くのか。「我々は医薬から化学、製造、ソフト、機械、デザインまで専門家がそろう。異なる分野の人と徹底的に議論するから革新が生まれる」。インキューブを率いるインド出身の発明家ミア・イムラン(57)は胸を張る。いくら優秀でも、自らの領域に閉じこもればいつしか常識的な発想から抜け出せなくなる。異分子との融合が新たな気づきや創造の芽を育む。
日経新聞2014.04.10

★コメント
 専門家は自分の専門のタコ壺に入り、なかなか出てこない。他の専門分野の人たちと共に仕事をし、話し合い「触発」することが新しいアイディアを生み出す。異なる分野の人と「触発」しよう。

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■『横断という概念』
★気づき
 横断性とは、異なったレベルの間で、特に異なった方向での最大のコミュニケーションがなされる時に実現される。意識と無意識との相互の浸透作用による横断性。カオス=混沌とコスモス=宇宙とのカオスとコスモスの相互浸透性による横断性。

★コメント
 クロスファンクション横断的組織論の発想になった、横断という概念を理解することが大切では。興味ある方は、ドゥルーズ・ガタリ、ジャック・アタリを読んでみたらいかがですか。

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■『こぼしにくい器』
★気づき
 「次の出荷は5月の下旬」。販売元のホームページに、そう表示している食器がある。生産が注文に追いつかないのだ。底の平らな茶わんや深めの皿のような器が、3点セットで3000円台から5000円台。決して安くはない。想定する使い手は6歳までの幼児だ。
商品名は「こぼしにくい器」。内側の上部をちょっとした出っ張りが一周しており、そこで食べ物を押さえればスプーンに載せやすい。生産には手間がかかる。手づくりするのは各地の漆器や陶磁器の職人たちだ。漆器の場合、ふつうなら木を削るのにカンナ2本で済む。この器は形が複雑なので5本を使い分けるそうだ。
企画・販売する「和(あ)える」は、矢島里佳さん(25)が慶大卒業と同時に立ち上げた会社だ。中学で茶道、華道を習い伝統工芸に引かれた。大学に通いながら職人を訪ね歩き、週刊誌に記事を書く中で、安い物に押され職人も減っていると知る。技を守るには理解者を増やすこと。それには早くから本物に触れることだ――。
こうして伝統技術で作る幼児用品というアイディアが生まれた。ただしこうした技は本来、高級品のためのもの。突飛(とっぴ)な思いつきに協力してくれたのは取材で出会った職人たちだった。今では有名百貨店も「和える」の品を扱う。夢を持つこと。出会いを大切にすること。矢島さんの軌跡は同世代の人たちにも参考になりそうだ。
日経新聞 春秋 2014.04.07

★コメント
伝統技術をどう現代に活用するか、魅力的テーマですね。若い人が伝統技術に興味を持ち、復活させることは素敵ですね。頑張って欲しいです。取り扱う店舗は、伊勢丹新宿店・日本橋三越本店・西宮阪急(兵庫県)・山形屋(鹿児島)・佐世保玉屋(長崎県)・ザ・ペニンシュラ東京 ぜひご覧ください。

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■『インダストリー4.0』
★気づき
 第4次産業革命、「あらゆる機器がネットワークに接続される、そのうち、工場の製造装置や製品を運ぶ産業分野に焦点をあてたもの」「農業機械メーカーの独クラース社は製造装置の稼働状況を常時監視している。装置の振動が増えたら、どの部品のゆがみが原因なのか、品質に影響あるのかまで予測する」
独SAPシニアバイスプレジデント ニルス・ハーズバーグ氏
日経産業新聞2015.02.16

★コメント
 従来ものづくりの現場だけでとらえがちだった製造業を、サービス化やネットワーク化、循環型産業システムに対応した新しいビジネスモデルとしてとらえ直すことが必要。

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■『食のリスクとメディア 「実在の危険」見極める難しさ』
★気づき
 徐々にモノが充実していき、また福祉などの制度的な整備も進んでくると、人々は生産に伴って現れる「リスク」の方にむしろ注目するようになる、というのだ。例えば今、日本では急速に「食」の問題に焦点が当たりつつある。きっかけは、カップ麺の「ペヤング」やファストフードの「マクドナルド」における異物混入事件の発生である。その結果、メディア空間において「食のリスク」が「アジェンダ」(議題)になってきた、といえる。これはどういうことか。
そのメカニズムについては、大きく二つの捉え方がある。一つは、物質的な充足によって、あたかも白い服には小さなシミも目立つように、リスクが「目につくようになる」という側面である。要するにこれは「認識の変化」が原因だ。もう一つは、さまざまな物質の生産など、近代社会を成り立たせている活動そのものによって、新たな不都合、例えば環境汚染や巨大な事故が生じている、という論点である。こちらは「実在の危険」そのものが、新たに生じていることになる。
72年、マコームズとショーという米国の2人の研究者が、メディアにはアジェンダ・セッティング(議題設定)の機能があることを初めて論じた。彼らは、メディアは社会に対して特定の価値判断を「押しつける」力は意外に弱いが、「この社会において今、議論すべきテーマは何か」ということを規定する力はとても強いことを見い出したのである。この仮説はその後、非常に多くの事例で実証され、社会科学全般で参照される重要な理論となっている。一般にこういう事例が起こると、危険性を強調する「燃料投下型」と過剰報道を批判する「火消し型」の両方の論調が出てくる。今回もすでにその傾向が見えるが、そうなると多くの人々はまたこの状況を「心配すべきか否か」悩むことになる。
神里達博さん 大阪大学特任准教授。専門は科学史、科学技術社会論。
朝日新聞2015.01.15

★コメント
 過剰な健康意識も「リスク」の「アジェンダ」では。昔琵琶湖の水が汚れているという「リスク・アジェンダ」がマスコミで報道され、浄水器が爆発的に売れたことがありました。これから「リスク・アジェンダ」に気を付け、マーケティングとしてどう対応するかが重要になるのでは。

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◆土日朝一番の映画 映画は映画館で観るとワクワク・ドキドキです。
『ミルカ』
監督;ラケーシュ・オームプラカーシュ・メーラ キャスト;ラケーシュ・オームプラカーシュ・メーラ
インドのオリンピック選手の実話。ストーリーはダイナミックで楽しめる。ちょっと深さがないが2時間半は楽しめる。インド映画は音楽とダンスが醍醐味。
『おみおくりの作法』
監督;ウベルト・パゾリーニ キャスト;エディ・マーサン
良い意味でカッコよすぎる映画です。孤独死した人を葬る民生係り役のエディ・マーサンの演技がしっとりしていて素晴らしい、いくつも記憶に残るシーンがあった。オススメです。
『愛して 飲んで 歌って』
監督;アラン・レネ キャスト;サビーヌ・アゼマ、イポリット・ジラルド、カロリーヌ・シオル、ミシェル・ヴュイエルモーズ、サンドリーヌ・キベルラン、アンドレ・デュソリエ
巨匠アラン・レネ監督の最後の作品。エスプリの効いたハッピーなコメディー。
3組の夫婦の友人のジョルジュが夫婦の接着剤に。ジョルジュは1回も画面に出てきません。3組の夫婦のハーモニーが楽しい。セットのアイディアも楽しい。ハッピーで楽しい映画でオススメ。アラン・レネ監督の「去年マリエンバートで」は難解だった。思い出します。合掌。

日本オリエンテーション主宰 まつもとかつひで

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■□■「MATSUMOTO・MINERAL」
■■■ 第372号(2015/2/17) (c) 1999Japan Orientation
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