配信日:2019年7月9日
「新商品開発・ヒントビット」第230号
・・・‥‥…商品開発の「小さな・小さなヒント=ヒントビット」…………‥・・
100○◆ マツモト・新商品開発ヒントビット
■230○ 発行者:日本オリエンテーション 松本勝英
30▼001 毎月第2・第4火曜日発行
・・・‥‥………………… by Japan Orientation ……………………‥・・・
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2019年7月9日(火)
コンサルタントの仕事3
200社300プロジェクトのコンサルティングをしているといろいろなケースに出会います。
もう30年前ぐらいの話です。大手食品メーカーのプロジェクトで、今までにない新しい食品を開発するテーマで、私からの提案は、「メンタルケアー食品の開発」。これからの健康は、ホリスティックヘルス、すなわち体の健康と心の健康の両面から健康を捉えていくことが必要ということで、まだない食品、メンタルをサポートする食品を開発しようとスタート。甘さ=くつろぎ、辛さは=覚醒、酸味=ストレスの解消との知見があるので、くつろぎの甘さ、覚醒の辛さ、ストレスを緩和する酸味の開発を提案。ところがプロジェクトの担当者は、美味しい、栄養になるの視点で食を捉えているので、なかなか噛み合わず、スタートまでの時間が長くかかり、やっと共感され、開発がスタート、ところが試作を作る段階になり、研究所に依頼をしたらよくわからない、これ売れるのですかという疑問が生じ、また初めから背景の説明、商品コンセプトの因数分解をして説明したが、なかなか理解が得れず難産。最終的には市場に出せなかった。今でも残念な思いがあります。
「歩けば歩くほど脚が楽になる靴のインソール」「界面活性剤を使わず、安心の洗剤」「1日4食の提案」20年前の大手電機メーカーでの「主婦を購入者ターゲットとした、オートクリーナーのエアコン(現在は主流となっています)」など思い出すときりがないほど出てきます。
受け手の企業の選択力、評価軸が未来の視点からではなく、その時基準で考えることから脱却できずで、今までにない全く新しい商品を開発するのは難しいと感じています。
コンサルティングの成功は、コンサルタントと企業の共有できる価値観が大事になってきます。
★商品開発ヒントビット第230号
1.建設的破壊
自動運転や電動化、シェアリングと事業環境変化はめまぐるしい。これまでの成功モデルを受けつぐだけでは成長できない。豊田章男は「改革の指針は微調整改善ではなく建設的破壊だ。行動の指針は前例踏襲ではなく、スピードと前例無視」と訴える。 トップが解体再構築をリードしていくことが大事では。
2.鈴木敏文(元セブイレブン会長)の名言
時代の変化にきちんと適応していけるかどうかが問われる。変化が起これば企業の在り方も変わらないといけない。外部環境の変化のスピードに、内部変化のスピードが追いついていけない企業は衰退するの格言もあります。凡事の非凡なる徹底ですね。
3.安心を伝えるコミュニケーター
先日病院に行った時の医者との会話です。医者はAIによってアルゴリズムに取って代わられてしまう危険がある。しかし医者は患者に安心を伝えるコミュニケーターのプロになれば、医者の役割は存続できるのでは。若い医者なるほどと言っていました。患者がなにを求めているのかの原点立つことが必要では。
4.6次産業化推進協議会
株式会社オオヤブデイリーファーム(熊本県合志市)が農林大臣賞。ジャージー牛乳によるヨーグルトの商品開発で差別化に成功し、ネット通販やスーパー、百貨店など積極的に販路を広げている。酪農教育ファームとして体験学習の場にするなど地域とのつながりも深い。6次化を拡大すべく加工施設兼直売飲食施設を新築中で、循環型酪農として安定した生産と販売の拡大が見込まれる。農業の6次産業化に対して、2次、3次産業の6次化は考えられないか。
5.アルゴリズム化
アルゴリズムは過去のデータの集積。過去にとらわれない新しい発想は人間にしかできないことでは。今までにない新しいことを生み出すことのために何を学ぶのか模索中です。倫理も大事になるのでは。
6.AIによる買い物
AIによる買い物が進んでくると、ただ機能が高い、価格が安いという選択条件だけではなく、環境のことなどを考えたSDGsなどの項目が重要になってくるのでは。
7.佰分屋
働き改革とビジネスモデルの開発 残業なし、子育て中の女性が働ける 佰分屋 1日100食 売り切れ終了。働き方改革をビジネスモデルの出発点にしているのがユニーク。
8.ミニマムの設(しつらえ)
「おもてなし」や「一期一会」として語られる利休の茶のその奥には、普段の空間に普段とは違う空間を、しかもミニマムの設(しつら)えで立ち上げる、そんな企てがあったと、武者小路千家家元後嗣は言う。
折々のことば:1501 鷲田清一。
日常の中での非日常が大事、非日常だとお客が緊張するのでは。
9.これからの医学は
医学が病人の治療よりも、健康な人のグレードアップに次第に的を絞って行くのでは。勉強のできる子供を出産するとか、早く走れる子供にするには、などなど。
10.匂い
恐れの匂い、喜びの匂い、その精神状態の化学物質を人間は発しているのでは。
犬が一番人間の匂いから人間を感じ取っているのでは。
11.明晰夢
夢をコントロールできる明晰夢の達人。夢を見る能力を伸ばすにはどうするのかちょっと興味があります。今読んでいる「精霊の木」上橋菜穂子著も夢が過去と現在をつなぐ話。
12.ニッチ
役にたつ、役に立ち続けるがニッチ特化の魅力では。特定の人に高満足を提供し、継続することがニッチでは。
13.ベトナムの富裕層
富裕層が2012年の260万人から2020年までに1000 万人に拡大するとの予想から、商品・サービスの「高級化」「差別化」も求められる。 英市場調査会社ユーロモニター(Euromonitor)による。日本商品の出番では。
14.これからの電源
再生可能エネルギーが増え、自宅や工場で発電して使う『プロシューマー』の存在や、デジタル技術を使って消費者間で取引する分散化が進めば電源も多様化する。多様化するべきだと思います。
15.あなたなら、どちらの言葉が心に響くだろうか。
A「ウソをつかないで」、B「ウソつきにならないで」。心理学の実験をしたところAはウソが減る効果がほとんどなかったが、Bは激減したという。行動より人格のことを言われた方が身が引き締まるようだ
▼脳研究者の池谷(いけがや)裕二さんが近刊『脳はなにげに不公平』で紹介していた。以下は池谷さんが考えた応用例。
「裏切らないで」より「裏切り者にならないで」。
「私の状況を理解して」より「私のよい理解者になって」天声人語。
公衆トイレに、ひっかけないでと書くより、ひっかける人にならないで、のほうが効果的なのかも。
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