配信日:2004年11月16日
第124号
★2005年は
日本オリエンテーションの客員研究員の方々と「商品開発大学院」を
つくりたいと考えています。
★ひさびさに、根太い日本の映画を見た
岩波ホールで、映画「父と暮らせば」を見ました。
日本人でなければ作れない映画です。広島のむごい原爆投下3年後の、
生者(宮沢りえ演じる美津江)と死者(原田芳雄演じる父親)との、
傷を受けた人間の対話です。大きな傷を受けた人間の心情を、きめ細
かく描写する感覚は日本人独特の感性では。
生者と死者の対話がイキイキしていて、生者同士の対話にはない深さ
を感じました。
一番の感動は、宮沢りえの美しさでした。映画で演じている所作、表
情、体の全体と部分の動き、「おとったん、ありがとありました」
「うちはしあわせになってはいけんのじゃ」などのせりふ使い。完璧
な「美」です。
スゴイ女優になったのだと感動してしまいました。
原田芳雄という俳優にも凄さを感じ、「美」と「凄さ」の「浄化」の
世界です。全体のトーンも「ヒロシマ」のカラートーンで、引きずり
込まれる映像でした。
岩波ホールというと固い感じがして、行きにくいホールですが、ぜひ
ご覧ください。
★マイカレンダー
11月2日(火)4社の企業の人とお会いしました。
毎月1?2度ほど、企業の方と業界、マーケティング課題などを話し合
う場を持ちたいと実行している、行脚、他流試合です。
1社目では、商品での差別化が難しくなり、ソリューションの提供、
新しいビジネスモデルの必要性。商品の実使用率の向上。シニアマー
ケットには、シニアの人たちの生活の経験の積み重ねを取り込まない
と。
2社目では、セグメンテーションの知恵。市場の動きを捉える目の付
け所。商品開発のスピード化、など。
3社目は関西から食品メーカーの役員の方が来社。
成熟利益商品の活性化。新規後発参入のコンセプト開発など具体的課
題への対応などを話し合いました。
4社目はカウンセリングをしている企業の役員、担当者の方と事務所で。
売り上げの向上に対して利益率の向上をどうするか。既存商品の流
との新しい取り組みアイディア、など。
楽しく、充実した1日でした。
3日(水・祝日)朝一番で映画を見る。「コラテラル」。トム・クル
ーズをクールに見せる映画で、それなりに楽しめました。水曜日のレ
ディースデイでトム・ファンがいっぱい。
帰りにデパートで、ジャケット2着、シャツを1枚購入。どうにかこの
秋冬の服をゲット。
4日(木)食品メーカーの役員の方が来社。商品の多様化で商品本来
の価値との乖離が生じてきているのでは。女性の活性化で商品開発が
順調にいっている話。
10数年前にセミナーを受講した方が、前回受講した部下の方を連れた
来社。商品の魅力をターゲットにどう伝えるかの話。
夜は「だべる会」。テーマは「品位」。「品質」に対して、魅力的な
「品位」の開発をどうするか。「品位」とは、時計、自動車、住宅な
ど自己表現型商品には「品位」は重要。
5日(金)6日(土)10時から17時まで、食品メーカーの社内教育。
マーケティング部門に営業、研究所などいろいろな部門の方が参加。
テーマは「魅力の開発」。
「幸せの色」とは、「マグロの刺身」を魅力的の表現するには、自分
の生活DELIGHT体験、生活価値観の変化キーワード開発など、演習を
含めた12時間でした。
8日(月)コンサルティング。事業革新計画を実行に移すには。
いろいろなしがらみ、新しいことへの不安、実行の抵抗要因をどう解
決するか。そのためには実験が大変有効では。
9日(火)化粧品に興味を持つ人たちの恒例の会に出席。「おやじ」
に対して「こやじ」が魅力などなどいろいろな話がありましたが、こ
の頃お酒を飲むと、話したことを忘れてしまう傾向が顕著です。
10日(水)病院のはしご。歯の手入れと眼のチェック。入れ歯と白内
障にならないように手入れをしなければ。
11日(木)事務所で「ビジュアルシンキング研究会」。電子文具を使
って、思考体力を付けるかの勉強会をスタート。客員研究員の高澤氏
から電子ツールの考え方、使い方の話。
12日(金)企業訪問。成熟市場が、成長市場に転換。その変化をどう
つかむかの話。
13日(土)朝一番で映画。「父と暮らせば」。昼は一人で神田の松屋
で、ビール1本、日本酒1本、ニシンの棒煮、ゴマそばで1時間。
ぶらぶら本屋へ。帰りに焼鳥屋で一杯。一日一人遊びでした。
14日(日)昨日遊んだので、出社。マツモト・ミネラルを書くことと
今週のセミナーの資料点検。
この頃本を読んでいないと反省。
日本オリエンテーション 主宰 松本勝英
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■『遺伝子のON/OFF』
★解 説
遺伝子というのは、遺伝をつかさどる因子にとどまらず、可能性
のスイッチである。
遺伝子をON/OFFさせる環境は3つに分けることが出来る。
1. 物理的要因(熱、圧力、張力、訓練、運動など)
2. 食物と科学的要因(アルコール、喫煙、環境ホルモンなど)
3. 精神的要因(ショック、興奮、感動、愛情、喜び、恨み、信条、
信仰など)
筋肉に張力を加えたり、圧力を加えたりすることで、筋肉タンパク
質をつくる遺伝子のスイッチがONになる。
村上和雄 筑波大学名誉教授「生命の暗号2」サンマーク2004.2.21
★ミネラル
自分の本来持っているよい遺伝子をONにさせることを意識する。
ONにさせなければ持っていても宝の持ち腐れですよね。
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■『本当に好きとは』
★解 説
ほんとうに好きとは、有利・不利という経済からの自由、世間の
評価からの自由、将来なにか得られるかなどの未来からの自由。
この3つの自由を確保し、心から好きなモノを見つける必要がある。
この中で特に難しいのが世間からの自由。企業中心の職縁社会に浸
った人間の習性で、こんなコトしていたら会社で笑われるとか嫌わ
れると考え、好きでないことを好きだと信じようと苦労している。
堺屋太一氏「2004年女性・家族」日経新聞2004.1.5
★ミネラル
日本の世界では「世間」という概念が支配している。「世間」に
囚われなくなると、もっといい生き方が出来るのでは。
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■『江国香織インタビュー』
★解 説
悲しみと喜び、幸福と不幸、絶望と希望は、実は入れ子構造のよ
うに重なり合う。恋愛という関係が失われるのではなく、日々損な
われていく悲しさ切なさを描きたかった。
別れや死などで失われた愛は、むしろ美しい記憶となって「強く」
さえなる。
それに比べ、時の流れの中で、少しずつそこなわれていく何かは、
取り返しがつかないし、避けることもできない。
江国香織
★ミネラル
人の心情の機微を描写できる作家です。このような心情をマーケ
ティング、商品の開発にどう取り込めるのか、取り込めないのか。
考えてみたいテーマです。
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■『「つつしみ」の心』
★解 説
自然と自然の摂理に謙虚に従う心。身近なエコロジーを実践する
ときに役立つのが自然と生命の摂理を敬い、エゴや生活を慎む心と
「おかげさま」の精神が重要。
★ミネラル
日本人の中にある「つつしみ」の心を再発見してみる。日本のお
かげとか、アメリカのおかげとか、私のおかげとか、という「おご
り」があるのではと心配です。
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■『豊かさの新指標、GPI』
★解 説
GDPが抱える弱点を克服する指標として、GPI=ジェニュイン・プ
ログレス・インディケイター、真の進歩指標。
GPIとはアメリカのリディファイニング・プログレス研究所が開発
した指標。
GDPは成長を続けているが、豊かさと持続の観点から市場を通過せ
ずに社会のプラスとなる要因を考慮。
GPI=(GDP)-(市場を経由する社会的マイナス要因)+(市場
を経由しない社会的プラス要因)
GDPは右肩上がりだが、GPIは横這いか逓減傾向。
GPIのピークは、アメリカが1969年、ドイツが80年、オランダ、ス
ウエーデンが79年。
日本は55年から2000年までにGDPは8倍になったが、GPIは6割増に
すぎない。
木内孝 NPO法人「フューチャー500」理事長 読売2004.2.1
★ミネラル
経済的には豊かになったが、社会不安は増大し、幸せ感はどんど
ん減少していく世の中です。もっと幸せ要因を増大させることを考
える。GDPの拡大は不幸になるかもしれない、そんなことを考えな
ければいけない時代では。
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■□■ 「MATSUMOTO・MINERAL」
■■■ 第124号 (2004/11/16) (c) 1999 Japan Orientation
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