1970年から、新商品開発・マーケティングの人材育成のセミナー・コンサルティングと新商品開発戦略、新商品開発システム革新の仕事を続けています。

日本オリエンテーションは、マーケティングをR&Dする事務所です。
考えるヒント:メルマガ「マツモトミネラル」

マツモトミネラル第149号

配信日:2005年12月06日

第149号
『ブラックボックス技術』『ポジティブ=遊び』『「売り捨て型」から脱却を』『計画の課題化はドラマづくりである』『ファンキー・ビレッジ』


携帯電話を買いました。
仕事上では、私宛の電話は1日に1?2通で、特別緊急な用はないのですが、
地震などのいざというときの連絡に必要ではということで、カミさんと二人で
購入しました。
2週間前に購入し、手探りでやっとメールが出来るようになりましたが、現実に
使う必要がないのでなかなか進歩(退化?)しません。
しかし、おぼろげながら感じるのは、マスターするとおもしろい世界が広がるの
ではないかという予感です。
最後発の楽しみを発見したいと思っています。

■『ブラックボックス技術』
★解  説
 松下の「ブラックボックス技術」は「商品を分解しても作り方がわからない」
「分解すればわかるが、特許で知的財産権が守られる」「生産方式などモノ
づくりの工程が囲い込まれている」などと定義。デジタルカメラの「手ブレ防
止機能」など多くの成功を生んでいる。
こうした「V商品」、61品目の売上高は今年度上期6060億円に達する。
野菜室や冷凍室を水平方向に全て引き出せる冷蔵庫。「食品に、においが移ら
ないように、レールに使うグリースまで見直し」
DPIMと呼ばれる研究開発プロセスの管理で、有望技術の将来展望を描く
「戦略」段階から具体的な投資対象を絞り込む「計画」段階を経て、実用化を
はかる「実行段階」へのスムーズな移行を目指す。

★ミネラル
 他社に負けない固有技術をどう守るかがこれからの勝ち残りに必要です。
戦略的に、組織的にどう守るかを明確にすることが重要です。
DPIMについてはネット参照。
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■『ポジティブ=遊び』
★解  説
 ポジティブ=遊び、遊びは興味を探求する衝動を起こす。また、遊びは、
身体的、社会情緒的、知的なスキルを気づき、脳の発達を増幅させる。
喜びには4種類ある。生理的な喜び、身体、五感の喜び、社会的な喜び。 
他者とのインターラクションから生まれる心理的な喜び、理念的喜び。
魅惑は、情動的な期待を持たせる誘惑、その期待に応える関係、忘れられない
経験として終わらせる充足によって成り立つ。

★ミネラル
 遊びのすすめです。機能による関係づくり、遊びによる関係づくり。
これからは遊びの要素がポイントになってくるのでは
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■『「売り捨て型」から脱却を』
★解  説
 「日本の製造業の復権を支えている新3種の神器は、いわば「売り捨て」
ビジネスにとどまっている。自動車や事務用機械器具のように広いすそ野を
持つビジネスモデルになっていない。そのため技術の安売り競争に陥り、
せっかくの研究開発投資を十分回収できないままに終わる恐れがある。
従って、技術界はもちろん、ビジネスモデルの開発こそが急務である。
たとえば事務用機械器具の、リサイクル、レンタル、消耗品の活用など、
いろいろな工夫ですそ野の拡大を試みるべきだ。
    機会振興協会経済研究所研究主幹 荒岡拓弥 日経新聞2004.8.10

★ミネラル
 パソコンビジネスのすそ野を広げるには、AV商品のすそ野を広げるには。
ユーザーの横の広がりの「場」を作ることもチャンスでは。  
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■『計画の課題化はドラマづくりである』
★解  説 
 明日から今日を考える。部分は部分として考える。非合理も非合理として
考える。計画と実行のギャップをどう埋めるか。「やりとげる目標」と
「どうやるかの計画」のドラマづくりが「計画の課題化」である。

★ミネラル
 今目標と現実のギャップを冷静に読むことが、プランナーの仕事です。
目標、計画をドラマにすることによってやる意欲が高まります。
意欲がでるドラマづくりもプランナーの大事な仕事です。
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■『ファンキー・ビレッジ』
★解  説
 何もかも過剰な時代
商品、サービス、情報、知識、が爆発的に拡がっている。キャパシティーを
超えている。コミュニケーションコストの低下。
やがて消費者は、新しい情報たれ込みや(情報媒介業者)の助けを借りて、
同じ消費的ニーズを共有する同士達とネットワークをつくり、企業に張り合う。
購買者オークション。
もの溢れの時代は「注目をめぐる競争」へ。
マーケット・シェアからマインドシェア、そしてハートシェアへ。
時間、質量、空間におけるドラマチックな変化が起きている。空間は拡張し、
時間は収縮している。CNNはライブ感覚のニュースを提供。情報のネット
ワーク化で、経済はとても感じやすくなっている。リアルタイムということが
チャンスになる(リアルタイム化、リアルタイムな情報を)。 
現代の市場ではフレキシブルに値段が決められる(コカコーラは天気の時には
飲料を1ドル、大雨の時は50セントで)。
情報をクリエイティブに運用せよ。
(お金よりも)顧客の情報を持つものがマーケットを制す。
マイクロソフトが保有する財産は脳だ。BMWの本当のトップとして、全社を
リードするのは、BMWのブランドである。
どこでつくられたかは今はあまり重要ではない。「メイドインどこで」から
「メイド・バイ誰によって」が重要。
あらゆるものはハイフンでつながれた世界に変わる。
産業界、商品間も協会がぼやけてきている。そこがチャンス。
カテゴリー、境界をキリングする。企業、商品が2つの分野にまたがることが
簡単になった。(銀行も保険会社も同じサ?ビスを提供するようになってきて
いる。)企業と顧客との関係もぼやけている。イケアは組立業務をお客に発注
している。企業(売り手)と消費者(買い手)がコラボレーションしながら
商品をつくる(ボルボの車づくり)。企業間でも競争、協力、供給、購入と
いう関係でつながっている。
現代においては商品(Product)やサービス(Service)という分け方がほとん
ど不可能になってきている。
2つを組み合わせてプロバイス(Provice)やサーダクト(Serduct)という言
葉の使い方が正確なのだ。
ハイフンは足し算ではなくかけ算である。
AとBからCが生まれ、そしてE,F,Gが生まれていく。
ハイフンから生まれるバリエーション自体にさらに多くのバリエーションの
可能性が内在している。かけ算によって消費者が勝手に商品を分解できない
ようにする。
       「ファンキービジネス」ヨーナス・リッテルステレ、
                  シェル・ノードストレム著(博報堂)
★ミネラル
 スウェーデンのストックホルム大学の教授によるビジネス書です。
顧客との関係をシームレスにしていくこと、カテゴリー概念の喪失、枠をなく
すなどの指摘を通して、新しいビジネス・オポチュニティーを論じています。
ファンキーな時代は、ファンキーに考えなければ。読んでみておもしろい本で
す。
                 日本オリエンテーション 主宰 松本勝英

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★マイカレンダー11月15日(火)?12月5日(月)    
11月15日(火)宮城県の日本酒の蔵元「一の蔵」を楽しむ会に、企業の
人達と参加。5,000円会費なのに、900人の参加でびっくり。
いろいろな種類のお酒を楽しみました。大吟醸より今年の新種の純米の方が
おいしかったです。大吟醸も考えなければ。

16日(水)午前、客員研究員の人と打ち合わせ、ロングセラー商品開発、ブラ
ンド戦略マネジメント、現場からのマーケティングの話。
午後、知り合いの教授のゼミに。若い人との会話は楽しい。ただ実務経験のない
人にわかりやすく話をする事の難しさを感じました。気をつけなければ。
夕方、企業の方が来社。ヒットを生む仕組みづくりについて意見交換。
書類作成に時間がとられている。何を重視し、何を捨てるかを考えないと。
夜は、商品開発の役員・部長の会「5人会」へ。今回は7人の方々が参加。
日頃思っていることを話し合いました。有意義でした。
1月下旬に企画していますので、ご興味ある方はご連絡ください。

17日(木)オープンオフィス。3社の方がお見えになり、感覚・感性マーケ
ティングの話、部下のクリエイティブ動機付け、企業の開発力を高めるにはの話。
18日(金)新規市場への参入に関して、トップを交えてディスカッション。
トップのディシジョンが得られるので、スピードが早く有益でした。

20日(日)「商品開発プログラムセミナー」受講者の集まりで、Sさんの熱海
のご自宅へ。20年前の受講者の方々の会です。みんないいおじさんで、仕事、
趣味も大人でした。何年も続いていて楽しい会です。

22日(火)23日(祝日)コンセプト開発合宿。市場動向、ターゲットの明確
化、ベネフィット開発。ターゲットの明確化の重要性を認識。
24日(木)25日(金)「商品開発プログラムのたて方セミナー」コンセプト
開発、テストについての講義。参加企業からのプレゼンにもとづくディスカッ
ションも活発でおもしろいセミナーでした。
25日夜、企業の人と営業活性化についての話。

28日(月)生活研究のコンサルティング。変化をつかんで、これからの生活
問題のテーマ抽出。
29日(火)30日(水)12月1日(木)「商品開発大全セミナー2」に。
「商品開発成功・失敗体験」「こだわり開発」「ナンバーワン商品開発」。
1日セミナー終了後、コンサルティングへ。
ターゲット・プロフィリングに基づくベネフィット開発。

2日(金)夜、同じ企業の企画執行役員と研究部部長との楽しい飲み会。
3日(土)土日朝一番の映画「モンドヴィーノ」。ワインの世界の競争ドキュメ
ント。風土による地味にこだわる個性伝統派と、樽に入れることによって香りを
つけ、マーケティングをもとに展開するグローバル派との競争。
地味をだいじにしている人たちの、ものづくりの魂に共感してしまうマーケティ
ングを仕事にしている私がいました。

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 ■□■ 「MATSUMOTO・MINERAL」
 ■■■ 第149号 (2005/12/6) (c) 1999 Japan Orientation
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