1970年から、新商品開発・マーケティングの人材育成のセミナー・コンサルティングと新商品開発戦略、新商品開発システム革新の仕事を続けています。

日本オリエンテーションは、マーケティングをR&Dする事務所です。
考えるヒント:メルマガ「マツモトミネラル」

マツモトミネラル第237号

配信日:2009年06月02日

第237号
『ノイズこそ生産性の源』『イチロー』『満足向上へ「内弁慶」排せ』『三人寄れば言うがまま』『保有効果』

6月2日(火)
GMの経営破綻。大きい企業が小さい企業を食うのではなく、早い企業が遅い企業を食っていくという証なのでは。


■『ノイズこそ生産性の源』
★気づき
 ノイズこそ生産性の源 メーカー主導の時代が終わり、情報生産性で勝負する時代を迎えている。均質な製品をコツコツとつくる製造業の労働生産性は時間単位で測れますが、情報生産性は時間に関係なく付加価値ではかります。
情報はノイズ(雑音)から生まれます。異文化が接触すると摩擦が生じ、ノイズとなります。その99%は役に立ちませんが、1%が貴重な付加価値になり、ヒット商品や先端技術の種になっていきます。
 同質な人材をそろえても、業績向上につながるような情報は生まれない。これからの管理職は個性的な部下が生み出すノイズを不快に感じてはいけない。部下が自己規制せずに「異見」を言える環境をつくれば成果が上がる。
 個人が情報生産性を上げるには、ノイズの発生装置を持つことです。自分が異分子となるようなストレスの多い環境に出向いたり、自分が当然と思うことに「なぜ?」と問いかけるような異質な人を身近に置いたりする。そして落差のある生活を送ることです。育児中の女性社員は意のままにならぬノイズそのものの赤ん坊を抱え、石器時代から変わらぬ授乳をしながらハイテクな職場に通う。その落差が情報を生みます。一方、仕事が終わっても同僚と飲みに行ってばかりの人の生活には落差が少なく、情報生産性も上がりません。
東京大学大学院教授 上野千鶴子 日経新聞2009.3.2

★コメント
 異質からノイズが生まれ、価値が生まれる。飲み屋で知らない人と話をするのも楽しいし、一人旅で地元の人と飲むのも楽しいです。ちょっと違う世界を探検してみよう。

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■『イチロー』
★気づき
 イチローのように、自分で納得できたかどうかを心のよりどころに。他人からほめられたり、評価されることではない。出所不明

★コメント
 人にどう見られるかではなく、自分自身の内なる達成感が大事。高い自己目標を持とう。

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■『満足向上へ「内弁慶」排せ』
★気づき
 戦後の日本は全力を規格大量生産の確立に傾注したのだ。その甲斐あって、日本は自動車や電機などの大量生産は世界一上手になり、大いに成長した。
ところが、80年代から文明が変わり出した。物財の豊かさが幸せという近代思想が疑われ出した。人間の本当の幸せは物財の豊かさではなく、満足の大きさではないか、というのである。
 そんな中で改革が進まないのが日本だ。官僚主導の規格化と計画性で発展した日本は、かつて「最も成功した社会主義国」と揶揄されたが、このままでは「もっとも後に滅ぶ社会主義国」になりかねない。
作家 堺屋太一氏  日経新聞2008.1.4

★コメント
 「利己満足」と「利他満足」があります。これからは「利他満足」を豊かにしていきたいと思っています。

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■『三人寄れば言うがまま』
★気づき
 周囲が同じ行動をすると、類似した振る舞いをせざるを得ない雰囲気になる。
このように集団圧力に屈して意見や行動を変えることを「同調」という。
私たち人間の場合、「皆がそうするから」というときの「皆」とは具体的に何人を指すのだろうか。試してみればすぐわかる。答えは三人以上だ。
二人と三人。数の上では大差なく思えるものの、心理的には大きな隔たりがある。
裏を返せば、ある人に何かを同調させるためには他の三人の意見を事前に揃えておけばよいとも言えるわけだ。
脳研究者 池谷裕二氏  日経新聞2007.11.28

★コメント
 3人の意見が動かしていく。会議で3人の共感者づくりがポイントかも。

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■『保有効果』
★気づき
 人々はすでに所有しているものを所有していないものに比べて高く評価する傾向がある。
すでに所有しているものを手放すときに要求する額は、入手するために支払ってもよいとする額の3倍になる。
性能やエネルギー効率において多少優れている程度では、顧客は新製品やサービスを受け入れないのである。この傾向は時間の経過とともに強化される傾向がある。
売り手は自らの商品やサービスの価値を3倍過大評価し、買い手は3倍の価値を感じなければスイッチしない。
ハーバード大学のジョン・グルビル教授が「9倍効果」と呼んでいる知覚価値のギャップを埋められなければ、新製品やサービスの成功は難しい。
恩蔵直人 早稲田大学教授 日経新聞2009.3.2

★コメント
 人間の評価は絶対評価ではなく、相対評価が重要です。相対的に見るには、直接競合、間接競合を含めた広い見方をしないと見えてきません。                 
                           日本オリエンテーション主宰 松本勝英

【マイカレンダー】2009年5月19日(火)〜6月1日(月)
20日(水)税理士と決算打ち合わせ。企業の方が来社。3時間ディスカッション。
21日(木)22日(金)「商品開発プログラムのたて方36時間」セミナー。
「商品コンセプト開発」「評価手法」の12時間。20日セミナー終了後、参加者と懇親会。ホンネで参加者の悩みが聞けて参考になります。
22日夜は、企業の人と大塚「こなから」で快食。アイディア開発の好循環づくりなど。

26日(火)「好奇心力を鍛える」セミナーのテキスト作り。
27日(水)企業2社とディスカッション。リピートをどう創るか。開発ロードマップづくりなど。
28日(木)コンサルティング。ビジュアルをもとに場面、効用開発。夜、「マーケティングだべる会」エコロジーを考える。今はエコノミー&エコロジーでは。
29日(金)企業の人と快食。銀座でおでんを食べて、バーに行ってちょっとマニアックなウイスキーを飲む。
30日(土)コンサルティング。変化のキーワードからテーマ開発。
6月1日(月)企業の人と快食。情報感知を高めるには。

土日朝一番で映画を見る
あまり映画を見る機会がなく、ストレスを感じていました。
「スラムドッグ$ミリオネア」
TVのクイズ番組を舞台に、スラムの貧困を縦軸に、純愛を横軸にした、イギリス映画。インド音楽を取り込み、ちょっとエキゾチックな雰囲気を醸し出したおもしろい映画でした。
「グラン・トリノ」
今大人が迷う時代がキャッチ。1972年製の車「グラン・トリノ」が偏屈な老人とアジア系移民の少年との出会いを生み、老人は大人としてどう生きるか、少年はこれからをどう生きるかを発見した映画でした。監督として、俳優としてのクリント・イーストウッドが魅力的。お勧めです。
「ミルク」
ショーンペン演じる、同性愛者の政治家ハービー・ミルクの活動を描いた映画です。
マイノリティーの権利獲得の運動には共感、ただ映画の中でたびたび違和感を感じてしまう私がいました。

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■□■「MATSUMOTO・MINERAL」
■■■ 第237号(2009/6/2) (c) 1999Japan Orientation
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