配信日:2009年05月19日
第236号
5月19日(火)
民主党の代表選挙。小沢氏現状肯定、鳩山氏改良改善、岡田氏改革革新。
改革革新の難しさを感じます。
■『人間の「欲望」』
★気づき
今は充足を味わえない時代。この10年あまりの間に、社会のあらゆる面で物事の数量化、デジタル化が急激に進んだ。人間の「欲望」も、例外ではない。
生存本能に裏打ちされた生物の欲望は、アナログ、満腹になれば食べられないように、いつも飽和するものだった。
だが、数値化されたデジタルな欲望は身体的な歯止を失った。「1億円より100億円」「100億円より1兆円」と際限がない。伝統的な倫理では、欲望は抑制されるべきものだった。そこに、<近代の消費資本主義>が「欲望は大きい程よい」とする逆の価値観を持ち込み、マスコミはこぞって「右肩上がり」を描いてみせた。こうして欲望は、社会全体でふくらませるものに変わった。「もっと」をどこまでも求める欲望の巨大な渦を「錬金メガマシン」と呼ぶ。
「定量的評価」が幅を利かせ効率が追及され、その結果、個人は自立性を失い、組織の部品に成り下がった。すべての欲望を断ち切るのは無理。生存に必要なだけで十分だと「諦めれば」安心立命は得られる。
では、何を優先し、何を諦めるのか。その判断基準を共有できる気の合う仲間と一緒に、ゆったり生きればいい。グローバルよりローカル。金融市場の数字より衣食住の細部に深い価値を見いだし、充足感を味わうのが、生物である人間の本来の姿。「生命力」を軽率にデジタル情報に還元すればどうなるか。「人間の本質をすり減らすだけ」パソコン時代のように「個人」単位の志向を補助するのではなく、人間全体の「集合知」を作り出すことが必要。
西垣通 東大大学院教授 朝日新聞2009.4.9
★コメント
デジタルというバーチャルな世界漬けになってはいないか。足もとから生活を見直したいです。
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■『家電に異変、無名勢が躍進』
★気づき
「サムスン電子が二位に落ちるとは」。世界の家電大手が競争する北米市場で、先月起きた異変が話題になった。「ビジオ」という無名の米国企業が液晶テレビでシェア一位になったのだ。工場を持たない、いわゆるファブレスメーカーである。
異変は今月初めにベルリンで開かれた欧州最大の家電見本市「IFA」でも見られた。商品誌による液晶テレビの評価で「メッツ」という無名商品がデザインと操作性から一位に躍進。ドイツの老舗ストロボメーカーが新規事業として開発した液晶テレビだ。
一方、日本の経営者には今も技術信仰が根強い。家電産業の復興に技術は不可欠だが、それだけでは消費者の心はつかめなくなってきている。
日経新聞2007.9.24
★コメント
日本の商品は技術が過多になっているのでは。プレステとDSライト。技術的にはプレステの方が優れているのかもしれない。しかし使いやすさ、楽しさはDSライトが勝っている。技術屋さんのための技術になってはいないか。コンセプト不在の技術優先は失敗する。
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■『薄型テレビをヤミ研究』
★気づき
「プラズマテレビの父」と呼ばれる富士通研究所フェロー、篠田傳。73年の入社以来、篠田はプラズマ一筋できた。2度、開発中止の社命に直面した。最初は79年、それまで手がけたモノクロのディスプレー開発が一段落し、会社は研究チームに解散を告げた。
篠田にはプラズマへの愛着があった。「モノクロのままではやがて消えていく製品になる」。カラー化の「自主研究」に没頭した。命令無視のヤミ研究。試作機でカラーの光を上司にみせ、開発継続を勝ち取った。
2年後、篠田は急性肝炎になる。2年間入退院を繰り返した。復職したとき、研究所はリストラで統合され、カラー化の研究は中止されていた。生産管理の仕事をしながら、再び「自主研究」に取りかかった。
アイデアは療養中にベッドの中で温めていた。生産現場の同僚を飲みに誘い、壁掛けテレビの夢を語り、協力をとりつけた。試作品は生産ラインにこっそりと紛れ込ませた。正式な研究テーマとして復活するまで5年かかった。
朝日新聞 2006.11.13
★コメント
篠田氏は会社では「変な」人と見られていたのでは。「変」で「想い」の強さが成功の大きな要因です。特に創造型商品作りには「変」と「想い」が重要です。
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■『別腹』
★気づき
別腹は本当にある。2種類。1つは感覚的なもの。同じものを、ずーと食べ続けていると飽きる。専門的には「感覚特異性満腹」。もう1つは本当に物理的な空きができる仕組み。オレキシンというホルモンを脳に与えると、胃が活発に動いて食べ物が小腸の方に送り出される(ネズミで)。人間もホルモンの働きで満腹の胃に新しいゆとりが起きると推測。
朝日新聞 2009.2.9
★コメント
別腹食品の開発は面白いテーマでは。日本オリエンテーションの追及しているテーマです。先日も研究者とホルモン情報と脳の話をしました。
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■『ブレア戦略継承』
★気づき
仏サルコジ大統領は、場所と場面を変えて一日に何度も登場し、演説や会見をこなす。年金問題から農業、教育、外交とテーマは多岐にわたり、そのひとつひとつが現状を大きく変える改革案だ。新聞は連日一面トップ。週刊誌の特集でも、テレビの討論番組でも、焦点はいつも「サルコジ改革」だ。
大衆人気を誇った英ブレア政権の報道・戦略局長としてメディア戦略を一手に引き受け、「影の副首相」と呼ばれたアラスター・キャンベル氏は、英ブレア政権で展開した手法をサルコジ氏が仏で継承したと考える。
1.先んずる
メディアから政権の課題を設定される前に自ら次々と課題を示し、主導権を握る。
2.頻繁な露出
政治に無関心な大衆とのつながりを保つとともにメディア側も満足させ、政策遂行を容易にする。
3.反復で訴え
二人とも、いったん決めたスローガンをしつこく繰り返した。「そこが大事」。目移りが激しい現代人は政治を意識する機会が少ないだけに、メッセージはできるだけ明確で、衝撃的、具体的でなければ。
朝日新聞 2007.9.30
★コメント
プロパガンダに関する本を読んだことがあります。繰り返しは、マーケティングには有効なコミュニケーションですが、受け手にとっては気をつけなければいけないコミュニケーションです。
日本オリエンテーション主宰 松本勝英
【マイカレンダー】2009年5月11日(月)〜5月18日(月)
12日(火)コンサルティング。新規テーマ開発。与件、変化の芽、市場分析。
夜、太極拳へ。まだやり始めたばかりですが、体の使い方が大変難しく、四苦八苦です。翌日はいろいろな筋肉が痛く、寝ていて足がつったこともあります。
13日(水)社内教育。コンセプト作り3回目。シンプルで、わかりやすくベネフィットを表現することが重要。ターゲット、場面の開発もコンセプト作りには有効。
14日(木)コンサルティング事前打ち合わせ。客員研究員と「やみつき」などの話し合い。
15日(金)コンサルティング。味の評価系の確立と味の開発。企業の方が来社。コスメティック・マーケティングの話。
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■□■「MATSUMOTO・MINERAL」
■■■ 第236号(2009/5/19) (c) 1999Japan Orientation
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