1970年から、新商品開発・マーケティングの人材育成のセミナー・コンサルティングと新商品開発戦略、新商品開発システム革新の仕事を続けています。

日本オリエンテーションは、マーケティングをR&Dする事務所です。
考えるヒント:メルマガ「マツモト・新商品開発ミネラル」

【マツモト・新商品開発ミネラル】第330号

配信日:2013年2月19日

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・■■■        商品開発・マーケティングの
・■□■   MATSUMOTO・新商品開発MINERAL
・■■■     発行者:日本オリエンテーション 松本勝英
        毎月第1・第3火曜日発行(創刊 1999/10/01)
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    ■□ 第330号 Table of Contents □■
      ◇マツモト・新商品開発ミネラル
      『有用性から象徴へ 消費価値読み解く』
      『心をのぞく』
      『水と食文化』
      『イスラム史に学ぶ』
      『ドラマづくり』

<伝言>
第122回「新・商品開発プログラムのたて方36時間」セミナー
2013年4月18日(木)スタート
商品開発プロになるための実践練習場です。
<顧客創造型新商品開発>をめざす"これから"の新・商品開発セミナー
商品開発を実践的に、深く学ぶ『場』です。
時代・市場・生活価値観の変化を引き抜き(マーケティング・センスアップ)、魅力的コンセプト開発(思考体力)を身につける6日間36時間のセミナーです。

2013年2月19日(火)
アジア・ビジネスマンのマーケティング交流の「場」づくり、スタートします。まずは3月24日からベトナム、カンボジア、ラオス、タイ4カ国を探検してきます。カンボジア、ラオスは初めての国で、興味津津です。いろいろな日系企業の方々と意見交換ができればと思っています。そこで一つお願いです。カンボジア、ラオスへ進出している日系企業、ジェトロ、ジャイカの人を知っている方をご紹介してくれませんか。
これからは、日本、アジアの仕事が半分ずつになれば面白いなと思っています。アジアから日本を見る、日本からアジアを見る、両方のよいところの融合発想などが起こらないか期待しています。

日本オリエンテーションの事務所が3月11日より、文京区西片から千代田区麹町に移転します。私は日本事務所にいる機会が今の半分ほどになるので、本や、余分な事務用品を 処分しコンパクトな事務所になります。
新住所:〒102-0083東京都千代田区麹町2-10-3 リ・ノウ麹町4F
電話:03-4540-6254
FAX :03-6869-3802
よろしくお願いします。

■『有用性から象徴へ 消費価値読み解く』
★気づき
 ジャン・ボードリヤール著『消費社会の神話と構造』で、18世紀以来、功利主義経済学が教えてきた"モノの有用性の消費観"から"モノの象徴価値の消費観"への劇的旋回が見られた。現代人はモノの役立ち以上にモノの象徴性を消費する。他人の視線を意識し、他人に対して優位にさせるかに見えるモノ(ブランド品や高級品など)を手に入れて、自分の社会地位の高さを誇示する欲望がモノの象徴価値を生み出す。
もう一つの著書『象徴交換と死』では、消費論から一歩前進して、人類学(特にマルセス・モース)が教えた贈与の「交換」を象徴交換と読みかえて、これを軸に近代諸学を批判した。「象徴交換とは死の交換である。」社会関係の基礎には自己の死を差し出して、他人の死を要求するという互換性がある。ところが近代の諸思想は死を消去しようとして、生産中心主義になってしまった。

★コメント
 モノ価値と情報価値の重要性が成熟社会で変化している。今は情報価値がモノ価値を超えているかもしれない。昔、セゾングループ創業者の堤清二氏は「消費社会への批判を読み、ブランド品というだけで価値が上がる状況に疑問を覚え、『無印良品』を作った」と話す。無印良品も情報価値の創造である。
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■『心をのぞく』
★気づき
 脳には論理的な計算をする領域と、感情を扱う領域がある。米プリンストン大のグループは、自ら手を下す行動を考えるとき、多くの人は感情の領域が盛んに活動すると報告している。ところが、感情より論理が勝っている人もいる。米ハーバード大などのグループは、脳の前頭葉の感情を意思決定に結びつける場所に損傷がある人を調べた。すると、あまり悩まず「犠牲者が少ない方がいい」と論理的に判断する傾向があった。脳には複数の意思決定の仕組みがある。それらを統合して「判断」しているのだ。
朝日新聞2008.4.11

★コメント
 脳は複雑系で、単純な論理系ではない。脳は複座系で複雑なのだ。ニューロ・マーケティングの壁では。脳と心はなかなかのぞけないのでは。
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■『水と食文化』
★気づき
 和風だしは軟水だと美味しく抽出できる。お茶も軟水でないと美味しくない。軟水が和食文化を生んだ。一方、シチュウなどの肉料理には硬水が適している。コーヒーも硬水がよい。パスタも硬水で作ると美味しいものが出来る。硬水がイタリア料理などの西洋料理を生んだ。このように世界各地の水を調べてみると、水がその土地の人々と「共生」しており、その人たちの生活や生命のあらゆる面々と深くかかわり合いを持っていることがわかってきた。食のグローバル化で日本の若い人が洋食を好んで食べるようになった。硬水を飲んでいると脳梗塞や心筋梗塞になりやすいことになる。
藤田紘一郎 人間総合科学大学教授
日経新聞2009.8.23

★コメント
 風土と文化と生活を考えるヒントでは。日本の風土と日本人の生活、私たちはニッポン人で世界人。ニッポン人をなくすと根なし草になってしまう。もっと、日本の風土と暮らしを見直さなければ。
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■『イスラム史に学ぶ』
★気づき
 イスラム世界を代表する歴史家、イブン・ハルドゥーンは、著書「歴史序説」で「なぜ新たな王朝が誕生するのか」という立場から国家論を論じている。その歴史観を学んだ森本公誠さんは、今の日本に衰退に向かう危うさを感じるという。「知識、技術、人とあらゆる分野で再生産が行われなくなっている。特に倫理観の再生産が行われていない現状が最も危惧される。」

★コメント
 倫理の再生の重要性を今感じる。
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■『ドラマづくり』
★気づき
意識調査でつくったドラマは当たったということは聞いたことがない。作り手は調査では上がってこない無意識の世界を探っていかなければ。不安の中にこそ当たる目があるというのがヒットの原点。町を歩くときに感じるもの、風景を見たときに感じるもの、旅先で感じるもの、電車に乗っている時に感じるもの、人と会っている時に感じるもの、その一つ一つからぼんやり浮かび上がってくるのが時代の無意識。自分自身が無意識の集合体になる。
鎌田敏夫さん
日経新聞2012.5.11

★コメント
 私の実感でもある。気付く力、感じる力の「直観」。「直感」を本質的にとらえるWHY力。本質をとらえる「直観力」。感じる力を高めよう。
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◆土日朝一番の映画
「ライフ・オブ・パイ/トラと漂流した227日 3D」監督;アン・リー キャスト;スランジャ・シャルマン
CG、3Dの技術はなかなかでしたが、ストーリーの面白さに対して、映画としての面白さに課題があり。

日本オリエンテーション主宰 まつもとかつひで

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■□■「MATSUMOTO・MINERAL」
■■■ 第330号(2013/2/19) (c) 1999Japan Orientation
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