1970年から、新商品開発・マーケティングの人材育成のセミナー・コンサルティングと新商品開発戦略、新商品開発システム革新の仕事を続けています。

日本オリエンテーションは、マーケティングをR&Dする事務所です。
考えるヒント:メルマガ「マツモトミネラル」

マツモトミネラル第65号

配信日:2002年05月31日

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・■■■       商品開発・マーケティングの       ■■■・
 ■□■     MATSUMOTO・MINERAL     ■□■
・■■■   発行者:日本オリエンテーション 松本 勝英    ■■■・
・・‥‥……… by Japan Orientation 等幅フォント推奨 …………‥‥・・
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  5月14日(火)ベトナムから帰ってきました。いろいろ気になること、
 印象的なことがありました。トイレが臭くなかったこと、旅行者向けでな
 い普通のトイレにも入ったのですが、東京の男性トイレのような、いやな
 臭いがありませんでした。野菜中心の食事が原因なのか。オートバイの洪
 水です。1台に5人、家族全員が乗っている感じでした。みんなマスクを
 して、ヘルメットを被っている人はわずかで、車が来ても平気で道路の真
 ん中を、横並びで走っています。信号も少なく、オートバイ洪水の中を人
 々がゆっくり横断しています。無秩序の中の秩序がありました。暗黙のル
 ールは弱者優先、強者(トラックなどの車)は私はここにいるよ、気をつ
 けてとクラクションを鳴らし合図をする。あまり事故現場を見ませんでし
 た。東洋的あうんの感覚なのか。バッチャン陶器も気に入りました。赤絵
 のトンボが素朴で、東洋的で、農村的で、なにか懐かしく訴えかけてきま
 した。「行こうよ」でベトナムへ行きませんか。

  この2週間の仕事の中で気になったことがあります。スピードです。開
 発スピードが遅いのです。サッカー型のフォーメーションスタイルになら
 ないとスピードは上がらない。その時その時の状況状況を判断して、今何
 をやらなければいけないのかを、全員が認識して、共有化されている組織、
 意識が重要です。

  5月21日(火)22日(水)は「商品開発リーダー講座」で10時間
 の講演。システムではなかなか魅力的商品は生まれなくなっている。自分
 「が」欲しい、この機能「が」欲しい、この形「が」好きという「が」の
 開発をするにはどうするのかを中心に話をしました。仮説提案型商品開発
 が求められています。参加者の感想が日本オリエンテーションホームペー
 ジに載っています。見て下さい。
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  5月29日(水)は第14回魅力研究会「感性生活研究」に出席しまし
 た。普段の生活の中で、装いを感じさせない、「おもてなし」が求められ
 ている。商品はカッコ良くプレゼンするための、引き立ててくれるモノと
 して考えている。センスアップが大事な価値観で、センスアップソフト、
 センスアップ商品(部品)を欲している。固定的な使い方に対して、自分
 のセンスで本来の目的とは異なる使い方ができる、使い遊び感覚が重要。
 栗原はるみの魅力は「さもない料理」「普通なことをちょっとおしゃれに」
 「栗原流のこだわり」この魅力研究会から得た「感性生活」キーワードは
 「もてなし感覚」「センスアップ」「使い遊び感覚」「センスアップ編集
 ソフト」「センス表現部品商品」「日本的中流幸せ感の提案」「栗原はる
 み的なアイコンの開発」などなど。刺激になりました。男はまだまだ「感
 性生活」からおくれているとの実感。    
              日本オリエンテーション 主宰 松本 勝英

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 MATSUMOTO・MINERALのバックナンバーは以下のアドレス
 でご覧になれます。
  http://www.jorien.com/mineral.html

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 ■□■…第65号の内容……………………………………………………‥‥・・
 ■■■ Table of Contents

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 ┛┛┛  『衣』
 ┛┛┛  『ビジュアルマーチャンダイジングの基本』
 ┛┛┛  『育てる』
 ┛┛┛  『粋・そばにファンタジーあり』
 ┛┛┛  『日本人の美意識』
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■『衣』
   ★解  説
      衣裳と名指されたモノはそれが「着る」モノではなく、「見られ
     る」モノとなったとき、突然のように新しい概念へと変貌する。
     「見られる」モノになったとき、差別や区別や弁別のしるしになっ
     てしまう。                 
   ★ミネラル
      視点が変わる、または変えることによって同じ製品が今までとま
     ったく異なる製品に変わる。繊維産業の時代は「体を保護する衣服」
     であったが、「人に見られる衣服」に変わったことによってアパレ
     ル産業が台頭した。これからはどんな衣服の視点が生まれ、どんな
     産業に変化していくのか。「体を愉快にする衣服」「心を癒す衣服」
     の視点が何かを生まないだろうか。   
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■『ビジュアルマーチャンダイジングの基本』
   ★解  説
     1)絞り込みの対象が何であるのかを、ビジュアルメッセージで端
       的に表現している
     2)希望商品を探し回る煩わしさを解決する、シンプルで買い易い
       レイアウト
     3)親しみやすく、やすらぎを感じる夢のある環境が形成されてい
       る
     4)販売員サービスが充実し、店員の優しさ、ぬくもりが伝わる雰
       囲気づくり
   ★ミネラル
      ビジュアルには理性的機能と、感覚的機能とがある。しかしそこ
     にヒューマンな要素がなければ伝わらない。20年前にある外資系
     企業のセールスマニュアルを作ったことがあります。その時表紙に
     「このマニュアルをあなたらしく活用して下さい。そうすればあな
     たにとって大切なパートナーになります」と書いたのを思い出しま
     した。
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■『育てる』
   ★解  説
      映画「KT」の監督阪本順治の話し。映画「どついたるねん」僕
     は無名だし、主演の赤井英和は全国区じゃないし、ボクシング映画
     は当たらないと言うし、その3つのマイナス要素を抱えて、勝つた
     めにはどうすればいいかと言うと、点から始めてそれを平面にして
     いく。つまり時間をかけていくしかない「どついてるねん」をつく
     ったとき原宿の空き地にテントを張って上映した。育てていく時、
     ドームは仮設で移動できることとか、長時間粘って頑張れることと
     かいろいろ利点がある。        
                        映画監督 阪本順治
   ★ミネラル
      今ヒットしている映画「KT」の監督である阪本順治の昔のイン
     タビューです。「どついたるねん」をつくった時には彼の作品を上
     映する映画館がなく、原宿の空き地にテントを立てて上映していた
     ことが印象的でした。私も見に行きましたが、まだ印象に残ってい
     ます。売ってくれるところがなければ自分で売ることを、当時学ん
     だ気がします。
       ・・・‥‥……………‥・・‥…………………‥‥・・

■『粋・そばにファンタジーあり』
   ★解  説
      うどんはぜいたくな食品です。そばと比べてたんぱく価が低い。
     だから、肉やほかの食品と一緒に食べる。昔からうどんが好きなの
     は上流階級なんです。そばはビタミンBも豊富で、江戸時代に流行
     した脚気の予防にもなることから、江戸の庶民に欠かせない食べ物
     になりました。そばは上手に粋の世界に入り、いつしか、うどんと
     立場が逆転しました。粋というのは、つまらないものにカネを払う
     ということです。自分たちで勝手にイメージを膨らませて高い金を
     払って喜んでいる。ではお客様はなぜそうまでしてそばを食べたが
     るのか? それはファンタジーを食べているからです。
       2002.1.4 朝日新聞 藤村和夫(元「有楽町・更科」4代目) 
   ★ミネラル
      シンプルな世界に「粋」という概念が生まれるので。よけいなご
     ちゃごちゃした要素を出来るだけ取り除き、本質を深化させること
     が嗜好商品の開発につながるのでは。
       ・・・‥‥……………‥・・‥…………………‥‥・・

■『日本人の美意識』
   ★解  説
      近世文学から始めた研究を半世紀続けるうちに、次第に日本の美
     意識とは何か、その神髄について考えるようになりました。今、
     「足利義政と銀閣寺」を「中央公論」に連載しているのも、義政の
     はぐくんだ東山文化こそ、日本の美に特有のかたちを与えたものだ
     と確信したからです。茶の湯、墨絵、それを飾る床の間など室内の
     様式や、料理などを含め、現代に続く日本の生活文化が定まったの
     はすべてこの時代、十五世紀後半です。この控えめな気品に満ちた
     様式は、主に四つの要素--「暗示」「簡素」「不均整」「無常」か
     ら構成されていると私はとらえています。吉田兼好や歌僧の正徹が
     発見したのが「暗示」で、ここから鑑賞者の想像力によって、無限
     の美が広がる。「簡素」というのは、それだけ物の本質が現れ、ま
     さに鑑賞者の目が問われる。お能はこれらが結晶した芸術ですね。
     「無常」は言い換えれば、ほろび易さであり、おそらく最も日本人
     に特有の美意識でしょう。西洋は芸術の不滅と均衡を好みますが、
     日本人はほろびと破綻(「不均衡」)がないと魅力を感じない。
    2002.1.26 読売新聞 ドナルド・キーン(コロンビア大学名誉教授) 
   ★ミネラル
      日本の特有な美のあり方をもう一度再発見し、現代の生活の中に
     取り込んでみることが必要では、と感じています。「控えめな気品」
     「暗示」「簡素」「不均衡」「無常」を味わってみたいと思ってい
     ます。コンセプト開発のおもしろいヒントでは。

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 ■□■…「MATSUMOTO・MINERAL」とは……………‥‥・・
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    数年前から新聞、雑誌、本、いろいろな人との話し合い、そして自分
   で考えたことで、いろいろ考えるときの私のマーケティング・ミネラル
   となっているメモです。出所など明記をしなければいけないものも入っ
   ていますが、あるものとないものが入っています。ご了解ください。
   原則として毎月2回(1日と15日)みなさんのメールに投げ込んで行
   きます。触ってみてください。

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 ■□■…2002年6月の日本オリエンテーションのご案内………‥‥・・
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    ★6月7日(金)までにホームページから申し込むと
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     お問合せ:MailTo:webmaster@jorien.com
              
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 ■□■ 「MATSUMOTO・MINERAL」
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