1970年から、新商品開発・マーケティングの人材育成のセミナー・コンサルティングと新商品開発戦略、新商品開発システム革新の仕事を続けています。

日本オリエンテーションは、マーケティングをR&Dする事務所です。
考えるヒント:メルマガ「マツモトミネラル」

マツモトミネラル第86号

配信日:2003年04月15日

第86号
『購買促進』 『使い方の提案』 『食事の時間』 『口コミ』『道具や装置のスペクタル』

春朝の楽しみ
春の朝の散歩はいろいろな楽しみがあります。
毎日6時過ぎに1時間弱の散歩を楽しんでいます。今はいろいろの花達が私
を迎えてくれます。
4月4日(金)桜?染井吉野、山桜、里桜、しだれ桜。桃。こぶし。木蓮。
椿。山吹。木瓜(ぼけ)。沈丁花(じんちょうげ)。雪柳、二輪草群生。紫
大根。スミレ。海棠。パンジー。チューリップ。菜の花。サツキ2輪。柳の
芽吹き。などなど各々の顔を見せてくれます。私の知らない花もたくさんあ
ります。
花の中で野生的な花と、人が庭に植えた園芸の花があります。言い換えると
自立している花と援助されている花。私を惹きつけるのは二輪草などの野生
で、ひっそり咲いている花です。野生のマーケッターでいたいですね。野生
のビジネスマンも魅力的です。
4月8日、雨風の日です。桜は咲くまで強く、咲いてしまうと弱い花だそう
です。風の中の桜花吹雪、池の表面に浮かぶ桜の花いかだ、道路の上にびっ
しり桜の花むしろもなかなかです。
4月10日、日陰のしだれ桜が満開で、「後」の桜を楽しみました。日当た
りのよい「先」の桜、満開の「旬」の桜も良いですが、「後」の桜も楽しま
せてくれます。
11日、鬱金の桜が7?8分咲き。
毎日、花の変化を見ていると、生きているという感じがします。
散歩の途中に雪印乳業の工場跡地に856軒入居の超大型マンションが建っ
ています。
複雑な感じがします。数年経つとそこが雪印乳業の工場だったということが
忘れられてしまうのでしょう。マンション建設現場を見ながら、植物が育つ
のと、マンションが建設されるのと同じ成長ですが、大違いだと感じました。
育てることは自立を促すことでは。
もう1つの散歩の楽しみは、途中の豆腐屋さんで出来立ての豆腐、まだ温か
い豆腐を買って、朝食のヤッコ豆腐で食べるのも、ちょっとした幸せ感です。

             日本オリエンテーション 主宰 松本勝英

■『購買促進』
★解  説
  これからは販売促進から購買促進へ 
★ミネラル
  販売促進はメーカー視点です。購買促進は顧客視点です。
 購買促進とは購入の阻害要因をなくすこと、そして顧客により多く
 の満足を提案することです。。今スーパーがやっている食品、野菜
 などのバラ売りなどは購買促進では。食パン1切れ、両足のサイズ
 が違う靴。靴下半足売りなど今はどうなっているのでしょうか。 
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■『使い方の提案』
★解  説
  「技術を提案する企業」ではなく「技術の生かし方」を提案して
 いける企業へ。(米ゲートウエイ2000ウエイト会長)     
★ミネラル
  これからは、つくる技術と、使い方の技術、そして捨て方の3つ
 の技術が重要になるのでは。使い方の技術はソリューションの提供、
 マスカスタマイズ化にとって重要です。新商品開発時から使い方開
 発も同時に考えていくことが大事になります。
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■『食事の時間』
★解  説
  どの世代も食に時間にかける時間は親の世代の半分に短縮する。
 20世紀はじめの米国では買い物、調理に平均4時間最近は15分。
★ミネラル
  進化なのか退化なのか。調理し食べることは人間としての文化で
 は。食、性の価値(魅力)が低下しています。真善美としての、そ
 して生としてのエロスが失われているのでは。
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■『口コミ』
★解  説
  「口コミ」としての「落書き」。知らない人同士の連帯感。「落
 書き」は一見自己満足で書き捨てというイメージで捉えがち。実は
 誰かに見られるために書き、見た人もなにかに書きたいと思う。  
★ミネラル
  昔の洞窟画も「落書き」だったのでは。ネットの中での「落書き」
 が口コミになるのでは。連帯感が生まれてくると本当のおもしろい
 メディアになるのでは。
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■『道具や装置のスペクタル』
★解  説
  イリイチの思想を受け継ぐこと
 道具や装置のスペクタルの左端は、コンヴィヴィアリティ(いきい
 きした生を共有すること、自立=協同性)のための道具で、電話、
 自転車、鉛筆、絵の具、ナイフ、散歩道、公園、パン屋、理髪店、
 有機農業など、「ホーム」の文化を生む道具。
 右端は、人間を操作し、支配する巨大な装置群で、学校、病院、軍
 隊、官僚制、巨大産業、原子力発電所、核兵器、国家などが配置さ
 れる。
 左側にコンピューター制御の小型汎用機械とクラフト(手の技の)
 のワンセットを入れることにより、身体と地域に根ざした文化が育
 つ。
 右側に、地球市場化システム、多国籍企業、金融資本、ゲノム計画
 を加えると、文化を奪われた、のっぺらぼうのむき出しの生が、学
 歴、健康、スピード、優秀な遺伝子、などの文明の衣装をまとって、
 市場または戦場にさらされていることが、より鮮明に見とれる。
 いまは完全に右へ超えてしまっている。右から左へ逆方向に超え直
 そう、そのため文明のただ中で、至る所で「プラグを抜こう」と呼
 びかけた。             朝日新聞030107栗原彬
★ミネラル
  昨年亡くなった、イリイチの追悼の記事です。人間は製品、制度
 の恩恵を受けることによって、依存性を高め、人間としてのいきい
 きとした生(コンヴィヴィアリティ)を失っているとイリイチは述
 べています。今もう一度読み返してみる必要があるのでは。イリイ
 チの「コンヴィヴィアリティのための道具」、山本哲士さんの「消
 費の分水嶺」「デザインとしての文化技術」がお薦めです。
            
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 ■□■ 「MATSUMOTO・MINERAL」
 ■■■ 第86号 (2003/4/15) (c) 1999 Japan Orientation
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