1970年から、新商品開発・マーケティングの人材育成のセミナー・コンサルティングと新商品開発戦略、新商品開発システム革新の仕事を続けています。

日本オリエンテーションは、マーケティングをR&Dする事務所です。
考えるヒント:メルマガ「マツモトミネラル」

マツモトミネラル第87号

配信日:2003年05月06日

第87号
『情報ラマダン』 『関心の低い商品に注目させる方法』『成功するコンテンツとは』 『植物の不思議』 他

新緑は多様の美しさ。
新緑。欅、イチョウ、柳、いろいろな木々の緑。薄い緑、濃い緑。強い緑、
優しい緑。小さい緑、大きい緑。いろいろな緑のコントラストがきれいです。
もうすぐ濃い一様な緑になってしまいます。「多様な緑」の新緑はいいです
ね。
事務所の模様替えを変えました。みなさんが遊びに来やすい空間にしました。
ぜひどうぞ。
-プロを超えるアマチュアをめざす-
商品開発のコンサルティングの仕事をしてからすでに30年近くになります。
裏通りの隠れ家から、「らしさ」を発信したいと思ってきました。
子どもの頃は本を読むことが少し好きだったこと、文章を書くのが好きだっ
たので、将来は新聞記者か、物書きになりたかったという記憶があります。
へそ曲がりでちょっと変わったことが好きで、マイナー指向でした。企業に
入って枠にはめられることが嫌いで、自由で、自立したかった22歳でした。
30歳の時に日本オリエンテーションという場をつくり、そのときから「プ
ロを超えるアマチュア」をめざしてきました。プロという枠にとらわれない、
柔らかな発想をしていきたいと思ってきました。
プロをめざしたいという人が増えています、個人の能力にお金を払ってもら
うことは簡単なことではありません。
25年ほど前、私の子ども2人とラーメン屋で、まずいラーメンを食べたこ
とがありました。私はその時、ラーメン屋でもどんな仕事でもいいけれど、
本当にお客においしいラーメンを食べてもらえるような、ラーメン屋になっ
て欲しいと話をしたことがありました。
彼らもまだその話を覚えているそうです。しかし、本当においしいラーメン
をつくるためには素養と努力が必要です。簡単なことではないことを自覚で
きる年齢になってきました。
おいしいラーメンをつくりたい情熱と味覚センス、そして努力を考えると大
変なことだと感じていると思います。簡単にプロになりたいといえますが、
プロとは大変なことなのです。
大リーガーになる基本は、速く走れる、肩が強い、野球に対する強い情熱を
持っていることだといわれています。その上に努力と運が重なってプロにな
れるチャンスをつかむようです。素養と努力がプロには必要です。
私が思っていますプロのマーケッターとしての基本素養は、新しい価値を創
造することに情熱を持っている、本を読み世界を広げられる、感じたことを
自分の言葉で表現できる人、だと思っています。
「プロを超えるアマチュアをめざす」そんなチャレンジをしたい人をぜひ育
てたいと思っています。育てるというより一緒に育つことだと思っています。
一緒にチャレンジしてみませんか。                    
             日本オリエンテーション 主宰 松本勝英

■『情報ラマダン』
★解  説
  情報情報が溢れかえっている。「受けての側が自主性を取り戻す
 には、情報のラマダン(断食月)か安息日をやるしかない。例えば
 天気予報の音声を消してモザイクをかければ、誰でも、窓をあけ、
 湿気やにおい、草いきれを感じて、今日は傘なしだとなる。」
 テレビは「無料のテレビは15分クイックマッサージ、投資して自
 発的に選ぶ映画や本は人生観を変える、本格的医療マッサージ。テ
 レビ視聴者は目先の刺激を追い求めるインパクト難民。」
 若者のコミュニケーションとしてのインターネット、携帯「グルメ
 だったりブランドだったり、自分に情報をまとわせ、武装しないと
 自己表現できない人が増えている。人間関係が空洞化し、心のスキ
 マにインターネットという勝手口からご用聞きが入ってくる。出会
 い系サイトなんか典型。」
 情報社会のこれから「情報の超インフレ状態が続くが、もっと長い
 スパンで考えると、情報は要らないというところまで行き、本当の
 癒しとか和みを希求してやまない時代になれば、半径5メートルで
 家族が仲良く暮らせればいい。新聞、テレビも消え、実感を伴った
 意思疎通に回帰していく。」
 これから「無名の人が無名のまま生き、何も起こらない番組、地方
 の農家の平和な生活番組。」
                 古館伊知郎 朝日新聞 020112 
★ミネラル
  受動的生活者が氾濫している。能動的生き方をするには情報との
 距離が必要になるのでは。遮断してみる、自分で考えてみる、身近
 の関係を回復してみる、身体感を回復してみる。生きるということ
 はどういうことかを少し考えないとヤバイですね。 
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■『関心の低い商品に注目させる方法』
★解  説
  関心が低い商品に注目させる方法として、きわめて強い感情的な
 (ビジネス)シンボルを使う。ミシェランのタイヤに座った赤ん坊。
 「あなたの赤ちゃんを安全に守る」     
★ミネラル
  赤ちゃん、動物などはよく使われているシンボルです。アイフル
 のCMにでてくる「チワワ」はこのようなシンボルです。このCM
 ではネガティブなイメージを消そうとしていますが、消費者はその
 裏を見てしまっているのでは。いくら関心注目を高めようとしても、
 裏が見えてしまうと嫌悪になります。私の嫌いなCMです。
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■『成功するコンテンツとは』
★解  説
  コンテンツが成功するには、その言葉を聞いただけで、絵が想像
 出来ないとヒットしない。1本の時間が数分と短く仕事の途中でも
 見たくなるよう感じの「映像の小話」が魅力的。時間的制約の多い
 テレビや映画など既存のフォーマットには当てはまりにくいからこ
 そブロードバンドで花開く。インターネットオークション、ショー
 トフィルムが注目。
       日経流通新聞020601、品田英雄ヒットの現象学
★ミネラル
  成功する商品コンセプトも同じことではないでしょうか。商品コ
 ンセプトを絵コンテにしてみる、生活シナリオが描ける、そんなコ
 ンセプトが成功するコンセプトでは。
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■『カテゴリー・セグメント』
★解  説
  消費者はその商品がどのカテゴリーに入るのかを、今まで蓄積し
 てきたカテゴリーと照合して判断する。新しいカテゴリーをつくる
 ことより、既存のカテゴリーをセグメントする方が成功の確率が高
 い。  
★ミネラル
  新カテゴリーを作ることは重要ですが、既存カテゴリーをセグメ
 ントして、新しいカテゴリーを作る方が成功の可能性が高い。胃腸
 薬というカテゴリーをセグメントして、二日酔い胃腸薬を開発した
 「ソルマック」などは代表的成功例ではないでしょうか。
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■『植物の不思議』
★解  説
  最近、「植物」のメカニズムに興味を覚え、本を読んで、「植物
 はスゴイ」と思ったことが二つありました。
 一つ目。植物は外から炭酸ガス、無機塩などを吸収する時、必要な
 ものだけを吸収する。真に必要なものだけしか摂らないので、排泄
 もない。・・・・・
 二つ目。根を二つに切って夫々を植えておくと、上側の切片の切断
 面から根が、下側の切片の切断面から新しく芽が出て、夫々一人前
 の植物体になる。根のどこの部分においても、「真っ二つに切られ
 る」という異常事態に、いつでも対処出切るプログラムが出来てい
 る。・・・・・
 「無欲でクリーン!」「危機管理!」などというコメントを言うつ
 もりはなく、単純そうに見える植物の能力にただただ、感心するば
 かりです。
★ミネラル
  「ミネラル86号の花廻りの散歩のメールを読んで、最近、知っ
 て改めて感心したことを書きます。」といってメールをくれた新井
 泰裕さんのメモです。単純適応能力を身につけなければ。

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 ■□■ 「MATSUMOTO・MINERAL」
 ■■■ 第87号 (2003/5/6) (c) 1999 Japan Orientation
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