1970年から、新商品開発・マーケティングの人材育成のセミナー・コンサルティングと新商品開発戦略、新商品開発システム革新の仕事を続けています。

日本オリエンテーションは、マーケティングをR&Dする事務所です。
考えるヒント:メルマガ「マツモトミネラル」

マツモトミネラル第95号

配信日:2003年09月02日

第95号
『金利を上げ、マネーを呼び戻せ』『江戸の成熟性』『団塊世代コーホート分析』『コンピブーム』


8月31日で61歳になりました。
朝6時30分から、リコーのWさんと一緒に、インラインスケートを楽しみまし
た。やっと楽しんで滑れるようになり、この日は涼しくて、赤トンボもいっ
ぱいです。もう秋を感じてしまいました。
「ニュースステーション」の久米宏の引退ニュースを新聞で読みました。
59歳、もうすぐ60歳です。「これまでの仕事に一区切りつけたい」「スタミ
ナ切れ」と語っていました。
わたしも60歳になった時に、スタミナ切れ感と、マンネリ感を感じました。
周りはそんなことないですよと言ってくれるのですが、わたしの内部は不安
です。  
新聞の死亡記事も気になりだします。多くの人が70代で亡くなっています。
あと10年から15年だな、そんなことを感じてしまう年でもあります。

企業の社長は40代50代でなければ時代を超えられない、そんなタフさが求
められる時代です。いまいる政治家も早く、一日でも早く引退してくれない
かな。しかし政治家はタフですね。私欲の固まりがタフにさせるのかな。
私の今の仕事は、マーケティング・商品開発の棟梁的な仕事をしています。
今までの経験をみなさんに役立つようにトランスファーすることです。人間
品質・世界品質・地球品質などの、次世代の商品を開発するためのマーケテ
ィングR&Dは重要な課題です。
今まで興味を持っていた人間研究が何とか生かされています。時代・市場・
生活価値観の変化の変化を捉えることも興味津々です。
またもう一つの仕事であるセミナー・社内教育も、話している内に今まで考
えてもいなかった概念・ヒントが生まれてきて、自分でもハッとすることが
まだ多数あります。アドリブの楽しさ、緊張感かなと思っています。

これからの仕事
しかしそろそろ、カッコイイ隠居も考えなければと思っています。伊能忠敬
みたいに隠居してから、自分がやりたかった日本の地図を創るようなカッコ
イイことは出来ませんが、私も私なりの隠居の仕事を開発しなければ。
出来れば今までの経験をもとになにか「お世話する仕事」をしたいなと考え
ています。
94回のミネラルにも書きましたが、みなさんが集まれる「だべる会」をする
のもおもしろいのかなと思っています。自分の考え、感じたことを、自分の
言葉で話す、そしてスパークして、これだと感じられる時空間を創る。NPO
の仕事もぜひやってみたいと思っています。毎年誕生日に、いい節(竹の節
がいいな)を創っていきたいと思っています。発想が夏枯れでした。
             日本オリエンテーション 主宰 松本勝英

■『金利を上げ、マネーを呼び戻せ』
★解  説
  デフレの原因は資本流失。輸出に伴って国内からお金が流出、そ
 うした「マネーの不足」三百数十兆円のマネーが国内の経済活動に
 参加していない。対応策としては金利を引き上げてマネーを国内に
 呼び戻すこと。金利の引き上げにより、倒産が増加するが、その反
 面、生き残った企業は残存者利益を享受できる。雇用維持の優先が
 むしろ経済を破壊していく。今後は家計部門の活動を活発に、たと
 えば、きれいな町並み、広い住宅など生活を豊かにすることにもっ
 と価値観をおく。個人の投資を税制面から優遇すること。アニメカ
 ラオケなどの日本文化特有の繊細さといった独自性を。見たことが
 ない商品を買ってくれる「ベンチャー消費者」と言うべき存在が欠
 かせない。 三国事務所 代表取締役 三国陽夫(日経新聞030704) 
★ミネラル
  環境悪化の中で、生き残ることが必要。生活大国としてのベンチ
 ャー消費を創る商品の開発。実用商品ではない趣味・趣向的商品の
 開発。「ベンチャー消費者」とは、「ベンチャー消費者」に何を提
 案するのか。生き残るためにぜひ研究を。 
   ・・・‥‥……………‥・・‥…………………‥‥・・
■『江戸の成熟性』
★解  説
  日本の歴史における18世紀の位置づけ・意味合いは、日本前近
 代の長い道のりの中で、世界史と本格的に出会う前の到達点。衣食
 住の独自性、人々の結合関係、家意識、宗教、民族、芸術など多面
 的側面にわたり、日本の「固有文化」の形質が18世紀に成熟し結晶
 したと考えられる。歌舞伎が商品のシンボル、流行の源泉を担って
 行く。これらは「衒示的消費」conspicuous consumption の欲望を
 挑発するオーラに満ちあふれていた。文化活動が成熟社会のキーに
 なるのでは。     
★ミネラル
  江戸文化研究がおもしろいのでは。爛熟した文化の研究からこれ
 からのマーケティングの世界が見えてくるのでは。私は「バサラ」
 的商品を開発したいなと感じています。(バサラとは派手に見栄を
 張ること、しかし革新的でもあることです)
 consupicuousとは、引き立って、人目について、異彩を放つ、著名
 な、顕著なという意味を持っています。
   ・・・‥‥……………‥・・‥…………………‥‥・・
■『団塊世代コーホート分析』
★解  説
  コーホート分析は年齢効果と世代効果を分けて分析する調査方法
 です。
 年齢効果;世代や時代の流れに関わりなく、人間の生理的な加齢や
 ライフステージによって変化する部分。
 時代効果;年齢や世代を越えて、社会全体の動きとして変化する部
 分。
 世代(コーホート)効果;年齢や時代の変化以外の生まれ育った時
 代環境によるその世代特徴。
 団塊世代の世代効果は「仕事よりも私生活重視」「レジャー中心の
 生活」。食生活における団塊世代の主婦は「手間志向」と「簡便志
 向」の境目にいる。団塊世代の10年後「アウトドアレジャー志向」、
 夫婦2人でツーリング。デジタル化の浸透、グローバル文化の日常
 化。情報収集感度の高度化。10年後の団塊世代は「生活エディター」
 になる。 電通P&D局デジタルライフスタイル研究部 和田有子 日経
  流通020312
★ミネラル
 団塊世代は生活エディターになる。これからは生活の編集者がお
 もしろいと感じていました。団塊世代は量的な魅力より、質的に魅
 力的世代です。どんな編集能力を発揮するのか注目。私は世代が違
 いますが、春、サクラの木の下に朝食を持っていって食べました。
 うれしい朝食でした。
   ・・・‥‥……………‥・・‥…………………‥‥・・                       
■『コンピブーム』
★解  説
  往年のヒット曲をテーマや年代別にまとめた、コンピレーション
 アルバムが売れている。ヒットの理由は「1つの分野を深く掘り下
 げるのではなく、広く浅く拾っていくのがいまのライフスタイル。
 手軽に時代のおいしいところがわかるコンピはそうしたニーズに合
 っている」コンピを支えているのがテレビ。60?80年代の楽曲をCM
 やドラマに取り入れる例が増えている。「このコンピブームは、テ
 レビ文化の到達点では」 朝日新聞 021004  
★ミネラル
  いろいろしたいし、こだわりたい。今はあれもこれもしたい時代
 では。深くと広くが同時に起こっています。深く&広くの世界はな
 いのかな?いつも第3の視点で考えることが大事だと思っている私
 です。
   ・・・‥‥……………‥・・‥…………………‥‥・・
■『キャノンの戦略』
★解  説
  いかに利益を保つか、高めるかを第一とする戦略に特化。中国で
 は作れないもの、付加価値の高い製品・サービスで利益を取ってい
 くしか活路はない。デフレ経済では消費者が製品・サービスに対し、
 その価値が価格に見合っているかどうか厳しい目を向ける。企業の
 実力が裸にされるのがデフレだ。キャノンでは今年、過去2年間に
 出した付加価値の高い新製品が年間販売額の60%を超えるまでにな
 った。さらに70%を目指す。需要に機敏に反応するため、1ヶ月単
 位だった生産計画づくりを来年中には全事業分野で1週間単位に切
 り替える。その先には1日単位という目標もある。
           キャノン社長 御手洗富士夫 021229日経新聞
★ミネラル
  キャノンは私のベンチマーク企業です。コストパフォーマンスの
 魅力の重要性。日計化の発想ってすごいですね。勝ち抜くにはなま
 じっかなことではダメなんだ。すごいことをやらなければ。

・■■■………………………………………………………………………‥‥・・
 ■□■ 「MATSUMOTO・MINERAL」
 ■■■ 第95号 (2003/9/2) (c) 1999 Japan Orientation
・・‥‥………………………………………………………………………‥‥・・

前のミネラル 次のミネラル