配信日:2003年09月16日
第96号
9月になると何とはなく、夏服が似合わなく感じるのはなぜなんでしょうか。
今年は残暑が厳しいのに。メディアの影響か、デパートの影響か。自然は消
費されているのでは。
8月31日の誕生日のメールをいただきました。みなさんがカッコよく見てくだ
さりありがたいことです。
上海からも、T製薬のSさんから「一度上海にお出で頂き、猛烈な勢いで変
わりつつあるこの街(昭和30年代の日本のような街)をご覧頂ければ何かと
今後のご参考になるのではないかと拝察致してメールを差し上げております
。」というメールもいただき、早速20日から23日まで上海に行くことにしま
した。Sさんよろしくお願いします。
以前、日本オリエンテーションにいた女性が、上海のコンサルティング事務
所にいるので、いろいろ現地を見せてもらおうと思っています。土産話が出
来れば次回ミネラルでご報告します。
いろいろな2週間
9月1日(月)コンサルティング・スタート・ミーティング。
戦略的に商品コンセプト開発をするために、まずは魅力的市場の発見から、
そのために市場の構造的現状分析から、未来市場を読み込む方法の重要性を
共有化。出来たかな。
2日(火)経営ドメイン戦略策定コンサルティング。
企業のコァーコンピタンスの分析、時代・市場・生活価値観の変化分析から、
市場戦略策定の段階。分析から戦略へはクリエーションが重要になってきま
す。飛躍のためのクリエーションで踏ん張りどころです。スコーンと抜けた
いと奮戦中です。
3日(水)「健康マーケティング研究会?健康・食・マーケット開発」へ。
栄養学の先端と、家庭の健康食ニーズについて話を聞きました。病気を生み
出す食。適切な脂肪比率は風土習慣によって異なる。植物食品の重要性、し
かし研究はこれから。過剰の時代の食。機能、簡便、価格訴求に対して家庭
の食の魅力再発見。などいろいろ発見がありました。次回は10月2日「子ども
の健康」をテーマに開催します。
3日(木)4日(金)「魅力の開発セミナー10時間講座」
30人近くの参加で楽しく講義が出来ました。魅力開発のスキルも大事ですが、
魅力とは自分の外にあるものではなく、自分の内にあるのでは。自分の発想
を「豊か、幸せ、希望、夢のある発想」にしなければ。
8日(月)コンサルティングへ。商品コンセプト開発最終局面。
ブランド、マーケティング投資、差別化・独自化、日本オリエンテーション
視点、クライアント視点、などいろいろな要素が絡まって決まらず。再考。
コンサルティングはコラボレーションですが、コラボレーションはなかなか
コラボにならない。
9日(火)タクシー通勤。
タクシーの中で毒蝮三太夫のラジオ放送を聞く。高齢者コミュニケーション
は自分の心を開かないと。
社内教育の依頼。ユニークな研究開発者の育成がテーマ。「育成」より「自
立」がテーマでは。おもしろい出会いが出来ればと思っています。おもしろ
くないとユニークな発想は生まれない。おもしろく見る・考える出会いにな
れば。
10日(水)コンサルティング
スタートなので、商品を消費者の視点からどう見るか、どのような消費者が、
どんなベネフィットを感じ、購入しているのか。まずスタートは今までの成
功・失敗商品を消費者の視点から見るとどうなるのか。
11日(木)12日(金)大阪京都へ、コンサルティング&企業訪問
11日 次世代ビジネスモデルの開発コンサルティング。既存の企業の強さを
活かす新商品開発に対して、既存ビジネスモデルではカバーできないターゲ
ットに対する魅力提案をするための、「売り先開発・売り方開発・売り物開
発」のトータルな開発を考える重要性を確認。
12日は朝7時に大阪中央市場の鮨や「えんどう」へ。「お客さん朝からよう
食べますね」と店主に言われました。昼間京都の企業3社訪問、マーケティ
ング雑談。
夜、京都の先斗町の「京菜」で元サントリーのチーフブレンダーのOさんと、
「酒」をテーマに、おいしい話とお酒でした。最終の「のぞみ」でぐっすり
寝て帰りました。
15日(月)平常通り事務所へ。
たまっている仕事と格闘。帰ってテレビを見たらちょうど阪神優勝の瞬間で
した。「阪神優勝おめでとうございます。」私は野球ファンではありません
が。元気を貰うのもいいですが、やはり元気は自分で生み出さなければ、格
闘して。星野監督はそう言っているのでは。
ちょっとした事件
7日(日)インラインスケートで「年寄りの負傷」。転んで右足打撲、踏ん
張った左足筋肉の一部が切れてしまいました。
スピードの出ている時は、小さな石でも大きな事故につながります。今のス
ピード経営時代、気をつけなければ。
日本オリエンテーション 主宰 松本勝英
■『アーキテクチャー』
★解 説
仕組み、仕掛け、骨組みという意味。このアークテクチャーをし
っかりすることがオーバーエクステンション(膨張)を防ぐ。成功
した会社ほど危ない。進むべき方向、自分の得意技で勝負できると
ころはどこか。それを判断して技術力を集中、着実に、早く。
ソニー出井氏
★ミネラル
大きくすることより、骨組みをしっかりすることが発展にとって
重要。しかし、どんな骨組みにするのか、がっしり丈夫か、スクラ
ップANDビルドしやすい骨組みか。剛構造より柔構造な骨組みの方が
魅力的では。
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■『世界の先住民族の文化』
★解 説
自然を大切に、自分たちも自然の一部。すべての存在するものに
魂が宿っている。生命体も物体もすべて流れを持っている。私たち
が必要としているのは、成長のための成長を賛美する社会ではなく、
充足を知り、すべての生物と共存する安らぎによる喜びを見いだす
社会である。そこでは技術も経済も文化をになう存在となる。
「環境と文明の間」ハリー・スルヤディ
★ミネラル
文化が経済より、技術より上位に位置づけられる。経済人である
前に自然人である。そこが無くなってしまうと、安らぎの喜びは得
られないのでは。しかし今、安らぎの喜びを求めているのか?
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■『成長、成熟、衰退産業』
★解 説
成長産業では自ら未来を創る姿勢。成熟産業では(医薬品など)
的を絞って重点分野に、特にコストと品質が意味を持つ分野でリー
ダーの地位を(柔軟性と変化のための経営)。衰退産業はシエアの
奪い合いよりコスト削減と品質向上のための体系的努力を。
★ミネラル
衰退から抜け出すには、未来を創る姿勢が大事である。未来を創
造できる天才が出てきていないし、未来を創造する破壊も起きてい
ない。未来はどこから生まれてくるのか?
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■『文化とは』
★解 説
文化とは使いこなし。ユースインのチエの集積である。使い方の
チエの入った商品が文化性の高い商品。
★ミネラル
「使い方開発」がこれからの重要な消費者ベネフィットになるの
では。文化が育ててきた暮らしを見直し、そこから新たな暮らしを
創造する。京都に「始末がよい」という概念があります。良い昆布
を買って、1番だし、2番だしを取った後で醤油で煮て、ご飯のお
かずにする。節約に対して文化的合理的ユースでは。
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■『1.5の時代』
★解 説
・一者関係、二者関係、三者関係に対して1.5の関係。1.5の関係と
は、本来は人格ゼロであるはずの物体を擬人化して0.5の人格とみ
なす関係、本来1.0の人格をもつはずの相手を0.5の半人格としか
みなさない関係。
半ば幻想であり、半ば現実であり、そのようなイリュージョン(
錯覚)。擬人的機能を備えたモノ。
・携帯電話は2.0の関係を1.5化させたのでは。
ファミコンは遊ぶ相手、プレーとしての1.5。バーチャルの世界は
1.5の拡張化(現実照合を伴わない)。コンピュータとの関係は1.5
の関係になりやすい。(二者関係としての人間関係ができにくい)
・「ごっこ心理」による幻想的なイリュージョンの世界に没入するこ
とで、お互いの欲望の対象を巧みに演じあう。
・1.5とは快感原則優位。
・感動現象人と人が情緒的な共鳴現象を起こす場合、お互いの間に
伝達される意味そのもの、特にその論理的意味あいより、その意
味を伝える媒体の、感情を動かし感動を引き起こす、その作用の
方がはるかに大きな力を発揮する。共鳴は不合理な感動の相互作
用を含んでいる。
・癒しとは無目的な遊びである。人と人の、人とモノの。(無目的
遊びは、飼い主とペットがお互いにふれあっているけれども、お
互いに関心を持っていないときに起こる)
・便利とは「短縮定型化」。企業は「短縮定型化」を開発し、消費
者はただそれを受け入れる関係になってしまっている。消費者は
情報優先主義的で、主体性のない順応型の自我のあり方である。
「1.5の時代」小此木啓吾(ちくまライブラリー)
★ミネラル
人と人の関係、人とモノとの関係が変化してきています。人と人
との関係がダイアローグからモノローグへ、そして1.5の関係に。
バーチャルな世界がリアルな世界へ、そして1.5の関係へ。1.5の関
係は安定関係ではなく主体が希薄になる不安定な関係では。こんな
時どんな提案が魅力的なのか。
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■□■ 「MATSUMOTO・MINERAL」
■■■ 第96号 (2003/9/16) (c) 1999 Japan Orientation
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