1970年から、新商品開発・マーケティングの人材育成のセミナー・コンサルティングと新商品開発戦略、新商品開発システム革新の仕事を続けています。

日本オリエンテーションは、マーケティングをR&Dする事務所です。
考えるヒント:メルマガ「マツモトミネラル」

マツモトミネラル第97号

配信日:2003年10月17日

第97号
『クローン』『心の敗戦』『共生』『70年代ブームさらに拡がる』『微分の時代』


10月です。日本の秋を楽しみたいと思っています。 
連休明けの16日17日はコンサルティングの仕事。18日19日は「商品開発プロ
グラムのたて方」セミナー。ちょっとハードでした。
20日から23日までは、ちょっと上海に来ませんかの、T社のSさんのお誘い
で上海に行って来ました。以前お会いしたことのあるトイレタリーU社のT
さん、日本オリエンテーションにいた近藤さん、そして千葉さんから、上海
に来るならお会いしましょうよとのメールをいただき、ひさかたぶりの再会。
楽しかったです。
Sさんに一日がかりで連れていって貰った、上海の歴史的空間はステキでし
た。旧イギリスの銀行の建物、アインシュタインやチャップリンが泊まった
ホテルの中を見せていただきましたが、ホッとする空間で時代観の違いを感
じました。

上海見聞ミネラル
聞いていた上海と、行ってみた上海は大違いでした。高層のビル、マンショ
ンの林立は聞いていましたが、私にはまだ古い共産主義の中国というイメー
ジが捨てきれず、ある種のバイヤスを持っていたような気がしました。

その1,歴史の重さと実利指向
歴史が上海を創っているのだと感じました。共産党はその歴史の一部でしか
ない。アヘン戦争など、いい悪いは別にして、世界に開かれていた歴史を持
っている。フランス租界、イギリス、日本などによる共同租界を通した文化
ミックスが魅力的な世界を創っています。それと同時に中国人の実利指向が、
上手くかみ合ってイキイキした社会を作っている感じがします。

その2,工業化社会と情報化社会が同時進行
JRの「スイカ」を超えるシステム(地下鉄もバスも、タクシーもこれで全
部すんでしまいます)と地下鉄内のテレビモニター。東京の最新な電車と全
く同じ。また中国人の若い人に話を聞いてみておもしろいと思ったことは、
魅力的仕事・企業は投資会社、金融、不動産業だそうです。製造業ではない
そうです。

その3,スピードとエネルギー
北京オリンピックが2008年、上海の万博2010年その間が2年。日本の場合は
東京オリンピックと大阪万博の間が6年、日本のスピード成長時と比べて3倍
のスピードで変化している。エネルギーと努力体力を感じました。
その他で印象に残ったことは、朝の公園でお年寄り達が、太極拳をやったり、
社交ダンスを楽しんでいること。高齢社会の一つの生き方です。
一度「行こうよ」でみなさんと一緒に行きたいと思っています。
12月頃などいかがですか。興味ある方はご連絡下さい。

快食会
29日東大の先行経済研究センター教授Bさん、オンリワン企業N社の社長の
Iさん、K社のNさんと私の4人で西麻布で快食。年に2?3回、飲み食べ
しながらの楽しい話し合いです。Nさんは初めての参加で、「聞き流して充
電」したそうです。溜め込んでスパークすると飛びますよ。
「だべる」会
10月1日「だべる」会。私鉄のO社のDさんが運転士のHさんと参加。一般メ
ーカーとは違う方が参加すると、話が広がっておもしろい展開でした。魅力
的な鉄道とは、入浴剤とは、医薬品とは、チョコレートの話も出て盛り上が
り、終わったのは11時頃になってしまいました。
私の手料理ピザは小麦粉、イースト、砂糖、塩で胴をつくり、酸味のあるト
マトを買い、トマトソースにニンニクを入れて松本ソースを作り、チーズも
3種類のチーズを使い、こりにこって作ったのですが、その成果は得られず、
中の下の出来映えでした。残念。
参加者のコメント1「異なる業種の人とのお話は、仕事と捉えてもプライベ
イトと捉えても、日頃の視点とは違い、非常に刺激があり、充実した時間に
なりました。また、松本さんのシェフの姿には感激しました。」シェフみた
いと言っていただき感謝。
参加者コメント2「昨日もお話いたしましたが、同質のブレストには限界が
あって、とんでもないところからの発想がでてきません。あの天井の高いお
部屋で、考え話し合うと考えも「青天井」のように感じます。昨日あの僅か
な時間でもいくつかの「気づき」をいただけました。たぶん忘れていて開け
た事がない引出しに入っていたモノに再会したようなものでした。」カッコ
イイ評価ですね。
「だべる」ことは創発行動です。
おもしろいですよ。10月24日もあります。興味ある方は事務所へ連絡下さい。
             日本オリエンテーション 主宰 松本勝英

■『クローン』
★解  説
  クローンは能率が良さそうに見えるが、それは生物から多様性を
 奪う終焉への方向である。 
★ミネラル
  効率性を追求すればするほど、ある時から非効率になる。
 コンベアー方式に対して、キャノンの1人ものづくりの「屋台生産
 方式」「セル生産方式」がクローズアップされている。1人で完成
 品を組み上げる屋台生産は、各担当者が、お使いいただくお客様を
 思い浮かべやすく、また、自ら組み上げた製品への愛着も強くなる。
 担当セルを自ら改善する知恵の競い合いであり、1人ひとりの創造
 性、人間性を改めて尊重する仕組みだと思われるライン生産からセ
 ル生産方式への転換である。効率を考える時多様性ををどう融合で
 きるかが重要では。 
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■『心の敗戦』
★解  説
  ノモハンやミッドウェーの戦いの時、日本人はその失敗の事実を
 できる限り隠蔽し、その責任の所在をあいまいにした。それと同じ
 パターンが現在も繰り返されている。     
★ミネラル
  失敗時、その時の対処の仕方が次の発展に大きな影響を与えます。
 失敗をしたとき、責任を強く感じる、責任を取る、責任をバネにす
 る、そして新しいチャレンジをする。失敗と責任は成功の肥やしで
 は。
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■『共生』
★解  説
 「共生」は「共死」も含むのだ。
★ミネラル
  自然との「共生」と聞くと、お互いに助け合うイメージがします。
 しかし片方が死んでしまったら、こちらも死んでしまう、たいへん
 な関係です。自然との「共生」、他との「共生」は「共死」につな
 がることを肝に命じて下さい。
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■『70年代ブームさらに拡がる』
★解  説
  ニューヨークで70年代文化が拡がる。ディスコ、ジョン・トラボ
 ルタ、ピースマーク、ブレイディ家などの70年代文化が息を吹き返
 している。90年代の音楽は暗くて暴力的、それに対して70年代の音
 楽はハッピーで、カラフルなファッション。現代の閉塞状況を打破
 する感じが支持されている。(日経1999.8.21.38)  
★ミネラル
  日経1999.8.21の新聞記事でした。成熟とは内向であり、安定安心、
 懐かしさを求める時代です。しかしそろそろ成熟を超える時期では
 ないか。
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■『微分の時代』
★解  説
  ほんの小さな違いを、これでもかと細分化していく方がおもしろ
 い。中高年のリストラも、若者の貧乏も、「微分」すると多様だ。
 たとえば、TVの「銭形金太郎」ボロ屋の住人や、こだわりの物な
 ど、カン違い的ビンボウ生活を紹介する。限りなくゼロに近い生活
 を「微分」すると、意外な多様性が見えてくる。家を老朽化してい
 かに不便かを「微分」化した「大改造!!劇的ビフォーアフター」知
 識を「微分」化した「トリビアの泉」
               梁木靖弘(演劇評論家)030820朝日
★ミネラル
  これも成熟時代の特徴である。トリビアイズムとは、事象の本質
 を探求するよりは、末梢的な事柄に拘泥する態度。さまつ主義。日
 常のさまつなことを微分してみるとおもしろいことが見えてくるの
 では。しかし、さまつなことかもしれません。

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 ■□■ 「MATSUMOTO・MINERAL」
 ■■■ 第97号 (2003/10/7) (c) 1999 Japan Orientation
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