配信日:2003年10月21日
第98号
仕事を離れて
私は「仕事」と「遊び」と「学び」の区分けがあまり明確な人間ではありま
せん。楽しんでやる仕事はワクワクドキドキで遊びになりますし、飲んでい
るときに隣の見ず知らずの人との話が、マーケティングのヒントになったり、
セミナーでの懇親会のお酒の席が仕事のブレークになったりしています。
日本オリエンテーションの「だべる会」は、仕事の出会いであったり、他者
から学ぶ場であったり、飲み食べして遊ぶ処でもあります。
10月24日「だべる会」があります。 たまには仕事を離れて、異界に行って
みませんか。
「行こうよ」 10月11日(土)から13日(月)「行こうよ」で企業の人と新潟、
会津、いわきへ 行って来ました。
新潟の「月岡温泉」、新潟の「津川温泉」、会津の「柳津温泉」、会津の
「中沢温泉」の4つの温泉に入り、久保田と〆張り鶴のお酒をたっぷり味わい、
車中を含めてホンネの話を交わしました。
参加者のHさんから、「日常から離れ久しぶりに刺激のある日々を過ごす事
が出来、楽しかったです。こうしてまた日常の仕事に戻るといろいろ考えさ
せられる事が在ります。また、そのうちご一緒できるのを楽しみにしており
ます。非日常と日常のバランスを考えさせられた3日間でした。」
日常だけだとケガレになってしまいます。日常を活性化させるためには非日
常を取り込むことが必要では。
「健康車座塾」
箱根の「山のホテル」で17日、18日泊まり込みの「健康車座塾」。
参加者はO社のKさん、C社のKさん、K社のTさん、Mさん、M社のTさん、Iさん。
健康マーケティングの成功体験を持った人たちの集まりでした。日本オリエ
ンテーションから松本、樋口が参加しました。
17日は食事を挟んで、夜中の1時までディスカッション。
私が感じたことは、
・健康食品の立ち位置の問題。健康訴求を特化すると消費者の期待が高まり、
問題が生じる、また医薬品に近くなる。
・食品と健康のバランス。あくまでも食品がベースになければ。「おいしい
ヘルシー」が大事では。
・健康企業のミッション、取り組みの仕方が重要。簡単にやめたり出来ない
し、消費者を裏切るようなことは絶対出来ない。
・健康機能そのものがベネフィットではなく、生活ベネフィットにつながっ
てこないと魅力にならない。
・健康は持続が重要。持続のための工夫を。実感感、やみつき化、継続の為
の物語開発。客観的効果と主観的効果があるのでは。
・健康PDC(プラン・ドゥー・チェック)のサイクルが重要ではないか。
いろいろな企業が集まって健康ソリューションのためのコンソーシアムづ
くりも重要。
・健康は健康論と身体論の両面が必要になるのでは。
・健康がストレスになっている。もっと自由な、しなやかな健康ライフが出
来ないか。
たいへん刺激的な話し合いでした。
参加者は納得したり、アイディアブレークが出来たり、これからの課題を発
見したり、それなりの手応えを感じたのでは。私もこれからの健康マーケテ
ィングコンサルティングの仕事に生かしたいと思っています。
いつもと異なる空間と人たち(よい空間とおもしろい人との)の話し合いは
触発を生み出します。していますか。
日本オリエンテーション 主宰 松本勝英
■『6つの生活価値観』
★解 説
1.チャレンジ人生
興味のあることに積極的に取り組んで自分を高めたり個性を発揮
したりする生き方。人づきあいや社会との関わりにおいても活動的
2.社会貢献ライフ
地域社会やコミュニティに積極的に関わって貢献しようとする生
き方。環境や資源に対する配慮も強い。
3.シングルライフ
見栄を廃止無駄のない質素な生き方。周りを気にせず形式や外見
にとらわれない合理性がある。
4.協調バランス生活
人づきあいとコミュニケーションに重きを置き、他人と自分との
共感性を大切にする生き方。他人への依存が強く人のアドバイスや
意見によく耳を傾ける。
5.外面こだわり生活
物事を決めるときや何かに取り組むときに形式や外見にこだわる
生き方。物質的側面での生活向上や社会的名声・地位に対する思い
が強い。
6.安定保守人生
変革に対して能動的ではなく、今までの生活習慣を大事にする生
き方、平凡でも安定した生活を嗜好し、伝統的なものを重視する。
リサーチ&ディブロプメント「CORE」調査より
★ミネラル
健康と環境を重視した「LOHAS」(ローハス)が「生活創造者」
としてクローズアップされてきています。「LOHAS」(ローハス)
とは「Lifestyles Of Health And Sustainability」(健康と環境
を志向するライフスタイルの頭文字を取って作られた略語。環境配
慮型の家庭用品や健康、自己啓発型商品、オーガニック素材を使っ
たスポーツ用品などに興味関心を示し、10年後にはアメリカの約半
数の人が「LOHAS」の価値観を持つようになるといわれています。
日本では社会貢献ライフ層がベースになっていくのでは。
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■『P&Gの洗濯用洗剤ブランド戦略』
★解 説
「タイド」きれいにするなら。「チァー」色物を美しく保つ。
「ボールド」柔らかくてきれいな仕上げ。「ゲイン」新しさを感じ
させるきれいな仕上がり。「イーラ」シミを落とすためのパワー洗
剤。「オキシドール」白さの目立つきれいな仕上がり。「アイボリ
ー・スノー」おしゃれ着洗い専用。「ドレフト」赤ちゃんのデリケ
ートな肌を刺激しないために。
★ミネラル
P&Gのネガティブ・マーケット・アプローチです。「タイド」が
トップブランドになったら、「タイド」を買わなかった人の不満を
発見し、新しいベネフィットを開発して、洗剤市場のマーケット・
シェアーをとることによって、自社全体シェアー高めていく方法で
す。
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■『少子高齢化』
★解 説
少子高齢化による支出配分の変化と、支出配分のカテゴリー間の
変化と、カテゴリー内の変化が重要。
(「明日を支配するもの」ドラッカー)
★ミネラル
子供人口が減ったからといって、子供支出が減るとは限りません。
そんな単純なものではありません。知恵を絞って考えてみて下さい。
おもしろいマーケットが発見できるのでは。
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■『ブランドとは』
★解 説
人間の五感で感じられる心のサインが重要。夜中の2時に突然あ
る人をたたき起こして「ニベア」と言ったときに、すぐに「ニベア」
製品を思い起こしてもらえるならブランドとして認知されていると
言える。
★ミネラル
ニベアの社長の話でした。ブランドとは好意の「刷り込み」では。
無意識の中に「刷り込む」ことができれば強いブランドになるので
は。刷り込み=インプリンティングとは、鳥類などが生まれて初め
て動くものを親と思ってなつくことです。みなさんの企業の商品名
を聞いたとき、消費者がその商品の特徴を一言で表現できますか。
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■『「らしさ」を失う時代』
★解 説
「変われば変わるほど変わらない」
みかけ上の変化が激しいものほど、その本質は変わらない。若者は
その最たるものでは。思春期は蒸気機関車とともに発明されたとい
う言葉がある。社会の成熟が個人の成熟を遅らせる傾向は当時から
始まっていたのだろうか。メディアの発達は子供に成熟を先取りさ
せ、青年以上に未成熟なものへの固執を生むのだろう。「性」につ
いて考えるならわかりやすいはずだ。結果的に、若者は決して成熟
出来ないということが、社会的共通認識になってしまう。若者の
「変わらなさ」の原因はこんなところにあるのかも。若者らしい若
者が減っていると同時に、中年らしい中年、老人らしい老人も減っ
ているのでは。 斎藤環(たまき)読売新聞
★ミネラル
「らしさ」を失っている時代だから、「らしさ」を求めている。
「こだわり」とは「らしさ」の追求に見える。しかし未成熟な「ら
しさ」では。成熟しなければ危うい。
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■□■ 「MATSUMOTO・MINERAL」
■■■ 第98号 (2003/10/21) (c) 1999 Japan Orientation
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