1970年から、新商品開発・マーケティングの人材育成のセミナー・コンサルティングと新商品開発戦略、新商品開発システム革新の仕事を続けています。

日本オリエンテーションは、マーケティングをR&Dする事務所です。
考えるヒント:メルマガ「マツモトミネラル」

マツモトミネラル第99号

配信日:2003年11月04日

第99号
『ひらめきの直感』『個性化、特徴化戦略マトリックス』『生活リーダー』『「で」と「が」』他


セミナーでこんなことを話しています。
10月23,24日で「商品開発プログラムのたて方30プラス6時間」セミナーが
開催されました。参加者は27人で参加者の方々の顔が見えて、話しやすい場
になっています。

まず日本オリエンテーションの仕事についての話。
3つのテーマが仕事です。
テーマ1は「新しいタマゴを生む」仕事です。
今までにないカテゴリーを創ることです。市場創造型商品は、既存の調査か
らはなかなか生まれません。時代・市場・生活の変化の予兆を嗅ぎ取って、
仮説を構築して提案することです。
「豊かさの時代」から「幸せの時代」へ、時代の変化です。
「幸せ」とは、よい人間関係であり、いい人持ちです。いい家族、いい仲間
を持つていること。大人夫婦メンテナンス商品、父と子をメンテナンスする
商品を開発しませんかと提案しています。

テーマ2は「マーケティングのR&D」です。
開発のスピードを上げるための「ワンペーパー企画書」「商品コンセプトバ
ンクづくり」「開発者の想いづくり」など、仕組みを作って、仕組みを壊す
話をしています。

テーマ3は「次世代商品開発」です。
これからの人間品質、グローバル品質、環境品質の開発の話をしています。
人間と商品のリズムがずれると、使いにくい商品になってしまう。世界均一
な商品はグローバル品質にはならない、固有の文化をもとにして世界に発信
できる商品を。
これからは「作る技術」「使い方の技術」「捨て方の技術」の3つの技術が
大事になります。特に環境特許を重視することが環境品質を作ることにとっ
て大切。 これらを考えることが日本オリエンテーションの仕事です。  恒例「だべる会」。
24日セミナー終了後「だべる会」でした。10時から5時までの6時間の講演後
なので少しバテ気味でしたが、参加者の顔を見ると元気になりました。
テーマは「商品進化論」。
ホンダの元役員だった岩倉さんの書いた「ホンダにおけるデザインマネジメ
ントの進化論」岩倉信弥著(税務経理協会)をベースにいろいろな話し合い
がされました。

松本の「ホンダにおけるデザインマネジメントの進化論」を 読んだ読書メモ
です。
デザインの本質を考える?「形」は「心」である。
・デザインは企業の顔、いい顔づくり、企業のメッセ?ジづくり
・「我々は興奮をデザインしている」ドキドキ開発、ワクワク開発
「!?」(好奇心、感動)を磨き、「ドキドキ」「ワクワク」を「姿・形」
にする。「感動」とは「何事にも常に不思議がる?を持っていて、それがわ
かった!時は率直に感動することが出来る」
・先達から学ぶ鈴木正三「農業即仏行」、南方熊楠「『もの』と『心』でつ
くる『こと』という不思議がある」、会田周平「知識を自然の営みに即して
生かす」
・「形は心なり」真理を見つけ、深く掘り下げる。ぶれないことが重要。
・デザインは「不易流行」「普遍性」「先進性」「奉仕性」。「普遍性」と
は「心を込める」こと。たとえの仕方がなかなか。
・主観を客観化すること。これからは「演繹的」発想より、「帰納法」的発
想が大事。主観があり「現場・現物・現実」を通して客観化する。松本風に
言うと「実感・交感・共感」づくり
・モノと人(人の心)との関係を作る
・デザインの仕事とは、主観と客観、継続と変化、安定と混乱を行きつ戻り
つしながらなされること。「共通の場」づくり。
・デザインとはコミュニケーション
・「マーケットイン」と「プロダクトアウト」のバランスをいかにとるか
・デザインは「物」を越えて「場つくり」を含めた「物事」を作り出す

11月4日はベトナム縦断の旅でダナンからホーチミンに向かっています。
調味料メーカーA社のYさんとお会いするのが楽しみです。ベトナムのマーケ
ット、マーケティングの現状の話が聞ければ。 
              日本オリエンテーション 主宰 松本勝英
 
■『ひらめきの直感』
★解  説
   科学の心と詩人の感性を競うことが重要。円と長方形から円筒を
  思い浮かべる。物理学では、物事を多くの違った視点から眺めたと
  き、それぞれの姿・形は違って見えても、それらの背後に論理性が
  見えていれば、それは実在と考えている。
              佐治晴夫氏(宮城大学教授 理論物理学) 
★ミネラル
   「直感」とは背後に論理性があること。いろいろな視点で見る、
  その背後の論理性を考える。そこから「ああ、そうだ」が発見でき、
  「ひらめく」のでは。その見るときの心として、科学の心と詩人の
  感性が必要になるのでは。これからのマーケッターは詩人の感性を
  持たなければ。 
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■『個性化、特徴化戦略マトリックス』
★解  説
  個性化・特徴化を考えるとき
  1.パフォーマンスバイコスト提案、2.ソリューション提案、3.ユニ
  ーク提案と
  A.製品特化、B.市場特化、C.製品・市場特化のマトリックスで考え
  て見るとわかりやすいのでは。     
★ミネラル
   全てで勝てる企業はなかなかありません。自社の強さを活かした
  ドメインの明確化が重要です。デルコンピューターは1A型でコンピ
  ューターという製品特化とパフォーマンスバイコストで挑戦してい
  ます。IBMは2A型、アップルは3A型です。みなさんの企業、事業
  は何型ですか。選択集中と単純明確化、そして徹底卓越化が成功に
  とって重要です。
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■『生活リーダー』
★解  説
   郊外家族はこれからの生活リーダーではなくなっている。大人の
  ペアー都市的ライフスタイルがこれからの生活リーダーになる。
★ミネラル
   生活DELIGHTの時代は、ニューヨーク,パリなどの都会的、大人的、
  ナイト・ライフが楽しめる空間が魅力になる。いい男と女の関係も
  求めらている。新しいペアーライフ(夫婦ライフ)の提案は魅力的
  では。
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■『「で」と「が」』
★解  説
   「カレー『で』いい」と「カレー『が』食べたい」とは違う。
  「が」がついた商品の開発を。  
★ミネラル
   何を飲みたいですかと聞かれたとき、「コーヒー『で』いいです」
  という答えと「ぜひ、あなたの淹れてくれたコーヒー『が』飲みた
  いですね」とは格段の違いです。『で』は消極的消費、『が』は積
  極的消費です。みなさんの商品には『が』がついていますか。
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■『羽生善治の思考』
★解  説
   将棋の第一人者、羽生の思考を支えているのは「直感」。
  「直感には邪念の入りようがない。長く考えるというのは道に迷っ
  ている状態なんですね。『勝ちたい』とか余計な思考も入ってくる。
  だからいくら考えてもわからないときは最初に戻って直感に委ねる
  ことがよくあります」
  「簡単に、単純に考える」「最近は特に知識や記憶に頼らないで、
  自分の判断を大事にしようと思うようになりました」「最近は定説
  を忘れているから自分で考えるよりない。定説にこだわらず、もし
  かしたらうまくいくかもしれないと思ったら、とりあえず試してみ
  る。」「ひらめきやセンスも大切ですが、苦しまないで努力が続け
  られるということが、何よりも大事な才能だと思いますね」
★ミネラル
   直感が重要です。直感力を高めるには四六時中考える、考えて考
  えた末に、直感に委ねることが大切では。苦しまないで努力を続け
  ることは、深くて興味津々。
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 ■□■ 「MATSUMOTO・MINERAL」
 ■■■ 第99号 (2003/11/4) (c) 1999 Japan Orientation
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