配信日:2004年01月06日
第103号
2004年 あけましておめでとうございます。
『人間力』をキーワードにして、深めていきたいと思っています。
2004年元旦
日本オリエンテーション
主宰 松本勝英
事始め
1月1日(快晴)体、動かし始め
初日の出に、9階の自宅マンションから挨拶。「今年も普通によろしく」
朝7時から、昨年購入したばかりのエアロバイクに乗る。30分で気持ちよい汗。
体が心をリードするのではないかと、まずは体を動かす。今年は体を動かす。
家族身内そろって初めての食事。酒はビール(瓶で「エビス」の瓶ビール)、
ワイン、日本酒、そして頂き物の10年物の「泡盛」。四酒混戦。今年も四酒に
プラスなにを飲もうか、楽しみです。
新聞の読み始めですが、朝日新聞、日経新聞、読売新聞ともに魅力的な企画が
無くて、今年も残念、淋しい感じがします。これからの時代を感じさせてくれ
る企画をお願いします。
1月2日(快晴)初夢と読み始め
変身の夢でした。今までの考え方が陳腐だと、誰かわからない人から指摘され
た夢でした。いままでの血液全部を交換して再生しなければ。いい夢なのか、
いやな夢なのか。
読み始め
「深美意識の時代へ」天外伺朗。養老孟司「いちばん大事なこと」
内橋克人「もうひとつの日本は可能だ」そして茂木健一郎「意識とは何か」
4冊同時読み。
・「深美意識の時代へ」近代文明社会から成熟した社会へ。成熟した自我の確
立、深層の美への目覚めをトランスパーソナル心理学を取り込んで展望して
いて興味津々。今年の私のキーワード「人間力」と通底している。
・「いちばん大事なこと」は養老さんの独特なロジックがわかりやすく、読み
やすくなっています。まだ60ページですが、「人間対環境」という概念に対
して、「意識対身体」「都市対自然」概念でとらえていく。おもしろそうだ
しわかりやすそうです。
・「もうひとつの日本は可能だ」現在の構造改革、特にミルトン・フリードマ
ンのもっとも経済的強者の利益追求理論が『人間力』を衰退させていく。
「競争セクター」と「共生セクター」の共存。『人間力』を高めることが社
会の成熟では。「深美意識の時代へ」ともシンクロしているのでは。
・ 「意識とは何か」クオリアの提唱者の本です。<あるものが>、<あるもの>
として感じられるとき、それはいくつかの「クオリア」の集合体として成り
立っている。コップという「クオリア」もそれを構成する「クオリア」(色、
透明感)によって構成されている。「クオリア」は主観的構造と離せない。
「難しいこと」をやさしく、「やさしいこと」を難しく考えることが認知プ
ロセスの本質を考える上で重要なポイントでは。「ふり」と「心の理論」、
「心の理論」とは、他者の心の状態について、自分の脳の中で仮説(理論)
を持つ能力。などなどやさしく読めるが深い本でした。同時乱読。
1月3日(晴れ)本の買い始め
デパートへ行くが何も買いたいものがない。消費欲の衰退は老化なのか、ちょ
っと心配。その代わりに少し本を買い込む。いろいろな本、ごちゃ混ぜです。
・「ららら科学の子」(矢作俊彦)は、私世代の青春とは何だったのか、青春
はどう今につながっていくのか、つながらないのか。そんな興味から購入。
・「グロテスク」(桐野夏生)は、この頃あまり小説を読んでいないので2003
年ベストセラーに挑戦。
・「青の時代」(三島由紀夫)は、三島由紀夫に興味を持って読んでみようか
と購入。今まで三島に対しては拒否的でしたが、なぜか?・「阿房列車」(内田百聞)は、今年も出かけたいと思っている一人旅への後
押し。想いを持った一人旅をしたいと考えています。
・「記号の知・メディアの知」(石田英敬)は、時代・価値観の変化を少し知
的に見たらどうなるのかの興味。
1月4日(快晴・風あり)
インラインスケート発滑り。荒川の土手で一時間ほど滑りました。「体を動か
す」「体を動かし、意識を動かす」
1月5日仕事始め
社内打ち合わせ後、地元白山神社へ初詣。そして浅草へ。何で浅草なのかよく
わかりません。うまい食べ物があるからなのか、伝統的な感じを求めているか
らなのか、なぜか浅草でした。今年の気分かもしれません。
2004年、みなさんとの交流を通して、マーケティングの『へそ』を作っていき
たいと思っています。
日本オリエンテーション 主宰 松本勝英
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■『磁場とは』
★解 説
磁場とは近代の呪縛からの解放。土俗的、伝統的、日本的、非近
代的、肉体的なるものが磁場を作る。
★ミネラル
発信力より求心力が力を持つ時代です。劇作家の寺山修司、歌い
手美空ひばり、作家の中上健次などは発信者ではなく、求心者では。
求心力をっている人には土俗的、非近代的、肉体的な力がある。今、
磁力を高めることが必要では。
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■『リズムが大事な時代』
★解 説
21世紀はリズムとか振動の時代になると思う。本来はアナログ的
生命体とデジタル的な近代科学との断絶を埋めるものとして、リズ
ム注目される。(中村雄二郎)
★ミネラル
人間と機械のリズムが合わないと心地が良くない。人間の呼吸の
リズム、心臓のリズムに合うことが心地よいのではないか。16ビー
トのリズムも人間にとって気持ちよいリズムなのでは。ピグミーも
日本の太鼓のリズムも16ビートです。
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■『ビンテージ、過去の記憶をストック』
★解 説
歳月を経て、古びた味わいが出て来るにつれて値打ちが上がる、
いわゆる「年代もの」のことをビンテージという。
新しさよりも古さを大事にしようという風潮がいまの時代にはあっ
て、ビンテージものが流行(はや)るのも、そのあたりにどうやら
原因がありそうだ。
過去の「記憶」をストック(貯蔵)しようという気分が少しずつ芽
生えて来つつある。新しいものも積極的に取り入れながら、過去と
現在との「距離」がはっきりと見えるような空間づくりをしている
のである。
いま<豊かさ>は、そのような過去と現在の出会いのうちにあると
いっていい。
建築は考える 飯島洋一(建築評論家)2001.5.13 日経新聞
★ミネラル
「時間」という軸がだいじになってきています。過去の記憶が歴
史になる。過去から未来へつながる「時間」のトンネルづくりがお
もしろいのでは。新しいことだけでは強いストレスになり、古いも
のだけではおもしろくない。
過去と現在と未来の融合空間、商品の開発はおもしろそうです。
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■『自分探し』
★解 説
自分探しをするミュージシャン。「男らしさより自分らしさ」を。
自分らしさにルビとして「じゆう」をふる。
★ミネラル
自分らしい表現=自己表現を模索する時代です。自己表現がこだ
わり消費につながってきます。今、人々はどんな自己表現を欲して
いるのでしょうか。「こだわり」商品開発の入り口です。
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■『サービス消費の時代へ』
★解 説
社会の大多数が一致して欲しがり、手に入れるのに競争が起こる
ような商品は、今のように瞬時に普及する時代では「必需の感覚」
が急速に衰えている。
昨今の消費者は、商品の差異性だけでなく、供給者の人間的個性、
個人としての顔を求めているらしい。デパートの生産者の顔入り野
菜、レストランの有名シェフ。
もはや物質としての商品を介在せず、個人が直接に個人をもてなす
サービス業が、大きな経済分野になる予兆。しかしサービスに対す
る理解が遅れている。
老人介護における、差異化、高級化への需要に対するサービスのあ
り方。 山崎正和 2002.4.8 読売新聞 KW;サービス消費
★ミネラル
昨年末に私の行きつけの飲み食べ屋さんが閉店しました。繁盛点
でしたが店主が高齢ということが閉店理由でした。いろいろな地方
野菜、こんにゃくの煮付けなど、普通の食がこだわりでつくられて
いました。エビ芋の揚げ煮も3回火を通すことによって、おいしさが
引き出されていました。話も、とつとつとしていて愛想がいいわけ
でもないのですが、ほっとするお店でした。
こんな「もてなし」もサービスでは。「サービスの天才」新潮新書
も参考になるのでは。
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・■□■ 「MATSUMOTO・MINERAL」
・■■■ 第103号 (2004/1/6) (c) 1999 Japan Orientation
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