1970年から、新商品開発・マーケティングの人材育成のセミナー・コンサルティングと新商品開発戦略、新商品開発システム革新の仕事を続けています。

日本オリエンテーションは、マーケティングをR&Dする事務所です。
考えるヒント:メルマガ「マツモトミネラル」

マツモトミネラル第110号

配信日:2004年04月13日

第110号
『バニティ・サイズ』『独創性とは』『「スピンイン」戦略』『技術立国』『ポストプライバシー社会』


新緑
雨上がりの新緑はきれいです。

楽しい発想、幸せな発想、温かな発想、希望のある発想
生活をDELIGHT=大いに楽しませる、喜ばせる、にする商品が求められて
います。みなさんは自分の生活を楽しんでいますか。自分が生活を楽しめ
ないのに、楽しい商品は作れないのでは。今年、また今までにどんな楽しい
経験をしたのかの棚卸しをしてみませんか。

桜の花の下の朝食。誰もいないちょっと冷やとした朝の7時頃に、桜の花の
塩漬けを入れたおにつけのてんぷら屋、知り合いのマスターがいるバーで、食べたり飲んだり
する。来ているィ客と話をする。自由市場でおみやげの生いかを買う。
自由市場は日曜日が休みなので土曜日に買わないと買えません。

この頃楽しんでいるのは、土日の朝一番で映画を見に行くこと。10時前後から
始まり、空いているのでよい席で楽しめます。「永遠の語り」(シャンテシネ)
は朝から混んでいました。帰りに一人で昼飯。新しいお店を発見するのも楽しみ。
私の鼻はなかなかいい鼻をしています。

4月の24日(土) 以前仕事を一緒にしていた人の竹山へ、タケノコ掘に。東松山で
ちょっと遠いのですが、おいしいそば、名物の焼き鳥(焼きトン)を食べるのも
楽しみ。竹山の持ち主のTさんも楽しい発想の人です。一緒に行きませんか。

マイ・カレンダー(4月7日?20日)
7日(水) コンサルティング。嗜好食品の期待効用を全てリストアップし、それを
基に魅力効用を開発するステップ。みなさんがやってくれるので楽しく参加。

9日「だべる会」毎週第一木曜日ですが、今回は変則の第2木曜日。
参加者の気になっているキーワードを基にディスカッション。

健康は予防ではなく「帳尻合わせ」では。「らしさ」がなくなってきている時代
に「らしさ」を、今地方、地域らしさが。日常でも非日常でもない「半日常」、
チョコレート?自分へのご褒美“ラグジュアリー商品”。「日本のポジショニン
グ」が気になる、日本が餌場にされているのでは。「満たされない気分!」。
「デザイン」商品のその先(売り方)にもデザインが必要。女性の「主観的自立」、
勉強したい主婦。「大人消費」はパフォーマンス・アップを。古典が気になる
「古典研究」を。「セキュリティの論理は変化している」。今は削ぎ落として
魅力にする、シンプルな音にして伝える。漢字?カタチ自体に意味がある。
5?10年後、家庭の食卓はどう変わっているのだろう、食事のシーンの二極化、
「こだわり」は。
これらをもとに縦横に話が広がりました。

9日(金) 20年前にコンサルティングをしていた企業の方々と会食。20年前の
いろいろ反省会。あの時こうしていたら、こうしていなかったらと、いろいろ
反省。また一緒にチャレンジをしたいと思いました。
13日(火) コンサルティング。コンセプト開発。新視点からのコンセプト開発は
「想い」がないとなかなかブレークが出来ない。
14日(水) 大阪で社内教育。技術系の開発者の方々に、消費者の視点から「魅力」
を開発するための考え方。生活を楽しんでいる人の方が理解しやすかったのかな。

15日(木) 大阪。午前中セミナー参加企業訪問。「モノこだわり」から「生活と
こだわり」の話し合い。
午後コンサルティング。参入市場の市場構造図と魅力市場の発見。試行錯誤を
繰り返してきましたが、いいところまで来た感じがしています。
帰りに行きつけの京都の「京菜」で飲み、最終の「のぞみ」で帰る。
少しへばり気味。

17日(土) 10時から17時まで社内教育。キャラクタービジネスの企業で参加者も
個性的で、こちらも勝負。レクチャーと新視点開発、時代・市場・生活価値観の
変化について演習。
18日(日) 映画「永遠の語らい」を朝一で観に行く。中年の男女で朝から満員に
近い入りでした。帰りに事務所へ。マツモト・ミネラルの下原稿づくり。
19日(月) 午後コンサルティング。
20日(火) セミナー「商品開発プログラムのたて方30+6時間コース」がスタート。
参加者が55人で超満員です。みなさんの共感が得られるように知恵を出さなけれ
ばと、今から緊張。

好きなことを学び、好きに遊びを楽しみ、好きな仕事を。しかし悩みはモクモク
沸いてきます。

                日本オリエンテーション 主宰 松本勝英

■『ハッピーミステーク』
★解  説
   間違いを肯定的に見ようという考えで、あえてプリントの微妙な
  ずれやカスレを楽しんでいる。例えば手ぬぐいや浴衣などに使われ
  てきた「泣かし」という手法で染めたシャツ。極細の縦縞が肩から
  徐々にぼかされていって裾の部分で無地になる。胸にポケットを縫
  いつけてから染めているため、ポケットの周囲を染め残して微妙な
  白地が残ったまま。若いデザイナーが古い手仕事の技法を再発見し、
  新しい創作活動に取り込んでいる。    
                             2002.11.16日経MJ

★ミネラル
   意図したことから意図したモノが出来てくるのが多量生産である。
  しかしそこにはおもしろさ、味がない。これからの商品は意図した
  こととは違ったモノになることが魅力になるのでは。ハッピーミス
  テークをつくろう。
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■『都心住民の行動原理』
★解  説
   都心住民の行動原理は、時間、所有、選択という3つの「自由」
  プラス「安心」である。
  通勤短縮による自由時間増、消費も労働も「スケジュール」から解
  放、年齢で家も住み替える、レンタルなど街の機能を使いこなし、
  家の狭さを補い、生活の多彩さにつなげる。共生などで安心を確保
  する。 

★ミネラル
   都心という空間が新しい価値観を生みつつあります。既存の価値
  観から解き放たれることはいいことでは。これからのマーケティン
  グテーマとしては大変魅力的です。
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■『ジャパネットたかた』
★解  説
   生放送が魅力、家電特にパソコンはすぐにモデルチェンジするの
  で早さが大事。
  暑い日にはクーラーが売れ、雨が降れば乾燥機が売れる。広い量販
  店に行っても、使い方がわからない商品があるはず。テレビ通販な
  らうまく説明できる。エンターテイメントにしたい。生放送なら、
  転んだりとちったり、時間に縛られないCSには、可能性がある。
     「ジャパネットたかた」社長 高田明(54歳)読売新聞2003.5.27

★ミネラル
   ライブにおけるとちり、失敗が人間らしくて魅力になる。人間は
  間違いを犯し、とちりもする、それを隠さないと人間的に見える。
  みんな失敗することを知っているし、理解している。隠すと不誠実
  になる。ライブは人間らしいのが魅力です。私はセミナーのライブ
  感が好きです。
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■『人間型ロボットデザイン』
★解  説
   見た目に「人間らしさ」を感じてもらえるデザイン。人間らしさ
  を追求することと、人間の姿形をそのままコピーすることとは違う。
  人間に似せるほどかえって不気味になり、人間から離れてしまう。
  形はあくまで人工物、でも動きの中にふと人間らしさを感じさせる。
                工業デザイナー 山中俊治 2003.1.1

★ミネラル
  ヒューマンな商品の開発のヒントに。
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■『思想より「安心」を求める時代』
★解  説
   従来の規律訓練型社会(高度成長のような一定の価値観を、人々
  が共有することで統合を維持する社会)から、多様性のある環境管
  理型社会(いろいろな価値観を歓迎する一方、個人情報の集積・管
  理を通じて秩序維持をはかる社会)への移行。
  極論すれば、安全さえ確保されれば、理念や思想は、何でも結構。
  安全への欲求が、イデオロギーよりも深いレベルで発せられ、思想
  や価値観といった人間的な部分を飛び越えて、動物的な生存本能に
  直接訴えかけてくるような社会が到来しつつある。
                         東浩紀 哲学者

★ミネラル
   今なぜ安全欲求なのか。マズローの欲求の5段階説でいうと、今
  は自己実現欲求の時代になるのでは。しかし安全欲求の時代です。
  自分主義、個人蜍`の過剰が、共同体の喪失をまねき、アイデンテ
  ィティーの不安を生んでいるのでは。生存本能に訴えるとは。
  東浩紀のHPはおもしろいですよ。
  http://www.hirokiazuma.com/


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 ■□■ 「MATSUMOTO・MINERAL」
 ■■■ 第110号 (2004/4/13) (c) 1999 Japan Orientation
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