1970年から、新商品開発・マーケティングの人材育成のセミナー・コンサルティングと新商品開発戦略、新商品開発システム革新の仕事を続けています。

日本オリエンテーションは、マーケティングをR&Dする事務所です。
考えるヒント:メルマガ「マツモトミネラル」

マツモトミネラル第120号

配信日:2004年09月21日

第120号
『反秀才』『新商品』『ブランドの顧客獲得率』『購入のリスク』『意外性』


★新事務所へ
9月24日(金)に事務所を下記に移転します。
新事務所での仕事開始は、9月27日(月)からです。
コンサルティングの仕事をしようと思ったときから、裏通りの隠れ家
から、出会いと共感の発信をしたいと思ってきました。
緑に囲まれた静かな空間です。
みなさんと、より深い交流を目指しています。マーケティング課題が
ある方も無い方もぜひお出で下さい。一番目に来てくれる方はどなた
か楽しみにしています。

新事務所
住所:〒113-0024 文京区西片1-14-15
電話:03-5802-4151(今までと同じ番号です)
下車駅:都営三田線・大江戸線 春日駅、丸の内線・南北線 後楽園駅

★おもしろいワークショップに行ってきました。
たまには外部の新鮮な風を入れなければと、9月17日(金)「シナリオ
創発」ワークショップに参加しました。(主催「チャンス発見コンソ
ーシアム」) 定性、定量データを共起性を活用して、データを構造化
し、可視化する「キー・グラフ」という、データマイニングにおける
シナリオ創発がテーマでした。

可視化することによってデータが構造的に読むことが出来、プロジェ
クト参加者が共有化する魅力があります。特に定性データの構造化・
可視化に有益なツールです。

ヒント&課題
・構造化・可視化したデータ(図)を読む込むために、グループイン
タビュー調査分析の視点が役立つのでは。
・ユビキタス環境をつくってデータを入手する方法の開発がいろいろ
行われている。しかし視角だけに依存することは問題では。人間の
五感全体で情報を取り込んでいることへの対応は。
・キーグラフを読み込むために、幾何学的発想が応用できないか?
・ブレーンストーミングを構造化・可視化することによって、より活
発なアイディアを引き出すことが可能。
・自由記述による多量な営業日報データを構造化・可視化することに
よって見えない課題の抽出に役立つ。
・チャンス発見のための構造化・可視化方法の最新動向、より可視化
してイメージを広げる方法へ発展している。
・データを解析し、マーケティングに結びつけていくにはやはり直感、
経験が重要。
・客観と主観に対して「第3の観」直観が必要では。
まだまだ発展途上のマーケティング・ツールです。
「キー・グラフ」「チャンス発見コンソーシアム」については、キー
グラフで検索してみてください。

情報という刺激を受けることによって、いろいろなアイディアが浮か
んできます。情報はアイディア触発の触媒です。特に異質な情報は貴
重です。得ることが多く、楽しいワークショップでした。

日本オリエンテーションでは、キー・グラフなどのデータマイニング
ツールを使って、商品コンセプト開発手法を研究しています。ご興味
ある方はお問い合わせください。
問い合わせ MailTo:webmaster@jorien.com

★マイ・カレンダー(9月7日?9月20日)
9月7日(火)コンサルティングをしていた企業の新製品発表会へ。
夜、アフリカ行きの打ち合わせで子ども調査研究所へ。主任研究員の
近藤さんとアフリカ、仕事、人生論の話で午前様。

8日(水)新事務所へ。ものの配置を考える。午後、コンサルティン
グへ。ターゲットを明確に。なかなか明確にならず次回へ持ち越し。
私としては見えてきている感じなのですが、感じだけでは説得性が乏
しい。クリアーにしなければ。夜、コンサルティング企業と懇親会。
レバーの焼き鳥が美味。

9日(木)「商品開発スパーキング?16」の原稿書き。タイトルは
「顧客志向の商品」とは。 http://www.jorien.com/spark-bn-16.html

夜、「だべる会」。テーマは「こだわり商品の切り口を考える」
「こだわり」とはアイデンティティーでは。いまどんな人がどんなア
イデンティティーを欲しているのか。「こだわり」を消費者に知覚し
てもらうためには、モノづくりの「プロセス」を伝えることが重要で
は。簡単なメモがあります。
「だべる会 - こだわり」のメモの問い合わせはこちら。
MailTo:webmaster@jorien.com

10日(金)コンサルティングスタートのスタートセミナー。魅力市場
の発見、時代・市場・生活価値観の変化を引き抜く、商品コンセプト
開発がテーマ。

11日(土)12日(日)夏の名残の海が見たくて、北茨城の五浦海岸へ
行って来ました。暑さの中に涼しさを感じる海辺でした。いわきでサ
ンマづくしをごちそうになり感謝。上手かったです。

13日(月)コンサルティング。4年前に数年コンサルティングをして
いた企業で、顔見知りの開発者が多数いるので意志疎通はばっちり。
刺激を発信しなければと張り切っています。

14日(火)15日(水)「商品開発プログラムのたて方セミナー」参加
者は50人。最終日でした。知識ではなく知恵として共感できたことが
あれば、明日から活用してくださいの話で締めくくり。拍手をいただ
き感謝。

15日夜、健康テーマ開発のカウンセリング。疲れていますが、話をし
ているといろいろイメージが沸いてきます。

16日(木)朝からコンサルティング2チーム。商品と製品の違い。
成功商品・失敗商品の消費者からの見方。ポジショニングマップの作
り方。ポジショニングマップから魅力市場を発見するための7つの視
点。
17日(金)「シナリオ創発」ワークショップに参加。夜、事務所で
「中高年女性のヘルス&ビュティー」の話し合い。参加者の熱心な意
見で成果大の夜でした。「中高年」という名称に参加者全員違和感を
感じました。

10月1日(金)からアフリカへ行って来ます。16日に帰ってきます。
おみやげ話ができればと思っています。
          日本オリエンテーション 主宰 松本勝英

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■『反秀才』
★解  説
  反秀才とは理論より情念が勝り、頭は強いが仕上がるのに時間
 がかかる人、咲けば大輪の花のようになる人をさす。たとえばモ
 ーツァルトに対するベートーベンだ。アインシュタイン、西郷隆
 盛、柏戸、初代若乃花。「日本人に多いタイプだが、育成者がい
 ないのが絶望的」
     「反秀才論」(岩波文庫)筑波大学名誉教授 柘植俊一
                 読売新聞2003.8.3追悼抄より
★ミネラル
  遅咲きの執念派。こんな人が企業にいられなくなっているので
 は?心配なことです。私が言っている「変な人」も「反秀才」に
 近い人です。がんばってください。
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■『新商品』
★解  説
  売れている商品の70%は新商品。
  定番商品は30%しかない。
                  イトーヨーカ堂 鈴木会長
 
★ミネラル
  メーカーから考えると定番商品を作ることが課題です。定番化
 するには新しいという「情報価値」と、やみつきになる「やみつ
 き価値」の両価値が必要で、そのために「やみつき価値」の研究
 開発が重要になります。
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■『ブランドの顧客獲得率』
★解  説
  *米自動車調査会社CNWマーケティング・リサーチが実施して
  いるブランドの顧客獲得率調査。
  特定ブランド車に興味を示した顧客のうち、最終的な購買に結
  びついた比率を示すもので、最新調査では独メルセデス・ベン
  ツ車は82.8%、トヨタ車は62.6%、消費者が強い忠誠心を持っ
  ていることがわかる。
  これに対して日産車は48.4%、三菱自動車工業では13.7%にと
  どまる。
  仮に10万人の潜在顧客を集めれば82,800人の実売が見込めるメ
  ルセデスに対して、たとえば三菱は13,700人しか最終顧客をつ
  かめないことになる。
  この差を埋めるために「ブランド弱者」に残された戦略は値引
  き。だが、同時に中古車の下取り価格も下がり、新車がますま
  す売れなくなる悪循環にはまり込む。
  これらの中で日産は米国向け主力セダン「アルティマ」を平均
  200ドル値上げした。「ブランドは収益だ」は日産カルロス・
  ゴーン社長の言葉です。
                      2002.5.3日経新聞

★ミネラル
   製品が売れることによって商品になります。売れるための仕
  組みをどう作るか。ブランドの顧客獲得率は重要な指標です。
  常識ですがブランドは商品価値によって決まります。ハートシ
  ェアをどう高めるか、そのために商品に対する「想い」づくり、
  スピリチャルが重要です。「想い」を持って開発していますか。
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■『購入のリスク』
★解  説
  1. 金銭的リスク(お金を損する可能性)
  2. 機能的リスク(うまく動かない、期待どおりの効果が得ら
    れないのでは)
  3. 肉体的リスク(危険に見える)
  4. 社会的リスク(これを買ったら友人はどう思うか)
  5. 心理的リスク(これを買ったら罪の意識や無責任の意識で
    悩むかもしれない)

★ミネラル
  リスク回避はマーケティングの重要課題です。自社商品の購入
 障壁をどう下げるかのアイディアを考えてみてください。
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■『意外性』
★解  説
  1. 意外性の意味は;
   不可解、おかしい、不思議(不思議大好き)、神秘、奇跡的、
   思い掛けない、偶然、予想外
  2. 商品開発と意外性
   1.ギャップ:イメージと実際、外見と中身、低価格なのによ
    い、家庭的な美人女優
   2.異質性:組み合わせの異質性、美女と野獣、ミスマッチ、
    和食器とフランス料理
   3.予想外:宝くじ、競馬などのギャンブル、旅、生番組、
    代表質問と予算審議
  3. 意外性のMD           
   1.話題としての意外性:意外性=おもしろい=遊び 
    PLCとしては短命、イベントとして連続的に(鮮度が重要)
    badタイプ(ファッション)
   2.発想としての意外性
    意外=購入動機だったが実質性がある
    ・導入時意外だったが定着した
   3.使用してみると意外な面が発見できた    
    奥の深い、厚みのあるソフト
    ・単味でない複雑な味
    ・よくつきあってみると、こんな面もある人なんだね
    ・意外性の仕掛けづくり    

★ミネラル
  「意外性」は生活DELIGHTの提案にとっては重要なテーマです。
 しかし「浅い意外性」ではすぐ飽きられてしまいます。
「深い意外性」の開発、「はまってしまう意外性」開発が必要では。

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 ■□■ 「MATSUMOTO・MINERAL」
 ■■■ 第120号 (2004/9/21) (c) 1999 Japan Orientation
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