1970年から、新商品開発・マーケティングの人材育成のセミナー・コンサルティングと新商品開発戦略、新商品開発システム革新の仕事を続けています。

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考えるヒント:メルマガ「マツモトミネラル」

マツモトミネラル第233号

配信日:2009年04月07日

第233号
『「知ってるはず」覆す試み』『「話す」は「放つ」』『時代はソフトコントラストな色』『表情豊か 意識の解明に』『自分を空にし 言葉吸い上げて』

4月7日(火)
恒例の、朝起きのお勧めです。
数十年、毎朝5時起きです。起きると水を一杯飲んで、気持ちよい排便をすると用意万端です。本を読むなり、考え事をしたり、セミナー講演の中身を考えたり、大変有益な時間です。これからの季節からですとやりやすく、長続きし、習慣になります。

■『「知ってるはず」覆す試み』
★気づき
 今日、情報の伝達はスローイングとキャッチングに終始し始めている。発信と受信。発信と受信。その繰り返し。「知ってる、知ってる」は受信のサインだろう。
しかし、受信の後の「考える」というプロセスが徐々に希薄になっている。だから「知っている」と反応させてはいけない。それは思考の終止符のようなもので、現代人はこれを連発しながら情報に触れることだけを行い、そこから考えを発展させることをしない。
 一方で、知っていたはずのものが、あたかもそれを初めて見るかのように提示されたらどうだろう。「いかに知らなかったか」を覚醒させられる驚きは、既知化し、惰性化したものを根源に戻して捉え直すときめきに満ちている。
 ならば「分からせる」より「未知化」する方がよい。「インフォメーション」から「エクスフォーメーション」へ。
             武蔵野美術大学 原 研哉教授   朝日新聞2007.10.8

★コメント
 思考することが知恵を生み出す。知らないということを大事にしていきたいですね。
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■『「話す」は「放つ」』
★気づき
 Eメールに代表される電子情報の日常化は人を「無口」にする。米国心理学者A・メラビアンによると、感情の伝達に占める言語情報の寄与率は7%にすぎず、残りの93%は声、表情など非言語情報によるとされる。日本の諺「目は口ほどにものを言う」は然りである。 たまったストレスは吐き出さないと楽にはならない。「話す」は「放つ」。そのためには「聴く」ことだ。
 人は「人間」と書くように「関係」の中で生きているのである。
               日東電工相談役 山本英樹氏  日経新聞2007.9.20

★コメント
 無表情な社会、無表情な関係からはクリエーションは生まれない。表情を豊かにして生きたいですね。
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■『時代はソフトコントラストな色』
★気づき
 光の波動である「色」は、目の奥で電気信号に変わり、その情報は脳の中枢へ届き、全身のホルモン分泌や、脳の活動電位を変え、人の記憶と感覚に影響を与えている。
例えば、最も人の記憶に残るものは「赤」。そして、朝、人を引き付ける色は「赤」と「オレンジ」。昼は「黄色」と「緑」と「茶色」。それから午後4時以降は、「青緑」と「青」と「紫」を見たいコンディションに変わっている。
 「時代と色」にも注目する必要がある。例えば2007年以降は、「緑」の注目率が上がっている。これは、多くの人が安らぎと平和、そして家族の幸せを強く求めるようになってきたことを暗示している。
 これからは、目立って売る時代ではない。癒すことで引きつけておいて、共感させてから売る時代である。そのためには、ソフトな色をソフトなコントラストで使いつつ、その中に1%程の鮮やかな色を配するとよい。
            カラーコンサルタント 高坂美紀氏  日経新聞2008.2.27

★コメント
 時代価値と五感は密接な関係にあると思います。アサヒビールの「スーパードライ」はアメリカ的・進歩的・効率志向の味覚では。これからの時代の変化はどのような五感で表現されるのでしょうか。
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■『表情豊か 意識の解明に』
★気づき
 感情を表現する顔ロボット「kansei」。入力したキーワードに応じて目や口の回りに埋め込んだモーターが動き、表面のポリウレタンを引っ張って様々な表情を見せる。
 一つのキーワードから様々な単語を連想し、その都度表情が変わる。「bank」と入力すると、「loan」「money」と次々に思い浮かべて不安そうに顔をゆがめたりする。
 「人は話し相手が口にした言葉に反応して意識が変わり、それを表情に表わす。この状況をロボットで再現して、人間同士の対話と比べて足りない点や似ている点を明らかにすれば、意識の解明に役立つ可能性がある。」
            明治大学理工学部 武野純一 教授  日経新聞2008.2.27

★コメント
 意識とはキーワードの周辺情報が統合された感情なのだ。キーワードの周辺情報を集めることが消費者理解に役立つのでは。
日本オリエンテーションの「生活ナレッジ」ではキーワードの周辺情報を消費者の生の声をもとに解明しています。ご興味のある方はお問い合わせください。
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■『自分を空にし 言葉吸い上げて』
★気づき
――芸術に大切なことは何だと思いますか?
「一言で言うと、<美の規範>を持つこと。古典を学び、自分自身の<美の規範>を持つのがいいと思います。骨董屋の主人が小僧に一番はじめに何を教えるか。まず徹底的に一流のものを見せるそうです」
「僕はノンセンスなものがとても大切だと思っているんです。今の人間は意味にとらわれすぎている」
――インスピレーションがわく瞬間はありますか?
「あります。日本語という豊かな畑に植物みたいに根を下ろして、自分をからっぽにして待っていると、水を吸い上げるようにして、言葉が出てくる」
                  詩人 谷川俊太郎 氏  朝日新聞2007.2.17

★コメント
 美の規範、ノンセンス(無意味なこと)、からっぽにするという言葉から、どんな言葉、イメージが浮かんできますか。深く考えてみたいですね。

                     日本オリエンテーション主宰 松本勝英

【マイカレンダー】2009年3月17日(火)〜4月6日(月)
3月17日(火)企業の人が来社。新規コンサルティングの打ち合わせ。シーズをもとにした、新規テーマ・コンセプト開発。夕方、企業の方が来社。健康マーケティングの話。なかなか成果が得られないことへのトップの不信感が大きな悩みだそうです。特保をとった商品でも成功確率は3%だと言われています。なかなか難しい市場です。悩んでいる方は日本オリエンテーションにお問い合わせを。健康マーケティングについては幾多の経験を持っています。
18日(水)企業の3社の方々とディスカッション。1)これからのポジショニングの明確化。2)需要創造について。3)ナンバーワン・オンリーワンについて。面白かったです。

19日(木)企業訪問。経営とマーケティングと商品開発の話。国内市場の飽和とグローバル展開の話。午後、代官山のイタリア食品のスーパー・マーケット「イータリー」を見学。予想外のものはなかったが品揃えが豊富。専門店の専門店は品揃えが豊富だけでは魅力にならないのでは。
20日(祝日)21日(土)22日(日)十和田、八戸に一人旅。十和田市現代美術館で、「スタンディング・ウ−マン」(ロン・ミュンク作)、「フラワー・ホース」(チェ・ジュンファ)などの興味ある作品を堪能。地方の美術館が充実しています。八戸に戻り、行きつけの「番屋」で飲み、昭和からある八戸の横丁を探検。侘しさの中の温もりを満喫。5軒のはしご。朝は陸奥湊の有名な朝市探検。いろ
いろ珍しいものを買い入れる。アナゴでもなく、鱧でもない長い魚の一夜干しを買い、食べてみたらなかなかでした。名称不明。脳に息入れをして、盛岡をぶらぶら。いい一人旅でした。
23日(月)コンサルティング。情報価値・意味価値にもとづく商品開発のまとめ。

24日(火)企業の方が来社。調査と商品開発の新しい仕組み作りについて。
25日(水)企業トップを交えたコンサルテイングの打ち合わせ。大学院教授来社。
何十年ものお付き合いです。企業の方が来社。商品開発における潮流探し、横串開発などの話。夜は、企業の人と中野の行きつけの店「路傍」、「風来坊」で飲む。ちょっと酔っ払いました。
26日(木)以前事務所にいた方が来社。面白いことをしかけたいねの話。
夜、恒例の「マーケティングだべる会」テーマは「いらないもの」。男は必要ないのでは、など面白い話し合いでした。
27日(金)東京本社に戻ってきた人と、神保町「兵六」神楽坂のバーで飲む。ちょっと飲み疲れです。

28日(土)私の好きな企業の人の結婚祝賀会に出席。衣装コードがバブルでしたので、バブルのときにつけていた、カミさん手作りの蝶ネクタイをつけて参加。夫婦で好きな生き方をしてほしいと思っています。
30日(月)コンサルティング最終日。商品開発システムの革新。終了後快食。
4月1日(水)某企業「マーケティングだべる会」を日本オリエンテーション事務所で。企業の悩み、これからについて、いつもの「場」とは異なる空間でやると面白い意見が出てきます。ご興味ある企業の方はお申し出を。

2日(木)ちょっとお疲れ気味で休み。3歳の孫を連れて、上野国立科学博物館の「大恐竜展」へ。恐竜の肉はどこにあるの、食べられてしまったの、溶けてしまったのとか、恐竜の家族は?など、いろいろ面白い会話になりました。
3日(金)コンサルティングの打ち合わせ。製品評価をもとにしたリニューアル、新商品開発などの新しい仕組み作りで4月からスタート。

土日早朝一番で映画を見る
「ダウト あるカトリック学校で」
ニューヨークのカトリックの学校内で、保守的な校長(メルリ・ストリープ)が進歩的な神父(フリップ・シーモア・ホフマン)の学校内での男子生徒との不道徳な関係を疑い、それが信念になり神父を放逐する内容の映画です。
本当に疑惑が存在したのか、しなかったのか、結末はわかりません。閉鎖された社会での疑惑が信念化していくプロセスはちょっと怖い。
舞台の映画化であったため、2人のシーンには迫力がある。映画好きな方にお勧め。

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■□■「MATSUMOTO・MINERAL」
■■■ 第233号(2009/4/7) (c) 1999Japan Orientation
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